「一人一艇トレーニング」~まとめ~

2019年9月1日

ここ最近ずっと書いてきたリバーガイド(ラフティングのガイド)の「一人一艇トレーニング」シリーズ。

(一人一艇トレーニングの風景)

今回でようやく最後です♪まとめます。
これまでの流れではこちらです。

これまでの記事で、リバーガイドのトレーニング方法の一つである「一人一艇トレーニング」の紹介&説明をしてきました。

ようするに、このトレーニング方法というのは、通常だったら8人程度まで乗れるボートに、ガイド一人で乗って、ただ一人で操作することにより、

・4つあった「ボートに影響を及ぼす基本の力」が3つに減る(自分以外の漕ぎが無くなる)

・「ボート+人」の重さが軽くなる


という”違い”を意図的に作りだすことです。

 

 

さらに、その”違い”が生み出す影響として、

・ボートの”重さ”と”速度”の値が小さくなる⇒結果的にボートの運動エネルギーが小さくなる

・ボートの”剛性”が高い状態で保たれる。

・ボートの操作性が増す。

を挙げました。

そして、その結果、「一人一艇トレーニング」の効果・影響として以下のようなものが期待できます

「一人一艇トレーニング」の効果

★普段、当たり前のように利用している「お客さんの漕ぎ」の重要性も、身をもって実感できる。

★ボートに影響を与える”それぞれの力”をよりハッキリと実感できる.

★その時その時の状況において、波や落ち込みなどに対しての、”最適な角度”を作る際の「失敗の許容範囲」というものが、通常の時(エネルギーが大きい時)と比べて、極端に狭くなる。

★波や落ち込みを上手く突破するためには、もしくは、自分の望むような方向への波の超え方をするためには、より「繊細なアングル操作」「正確な角度調整」の感覚が必要となってくる。

 

ようするに、適切な技術に対しては、より良いボートの反応が出てくる。

一方ミスを犯した技術に対しては、より悪い反応というものをハッキリと感じ取れるようにしたトレーニング方法なのです。

 

もちろん全ての状況、川、激流でこのトレーニング方法が有効なわけではないです。

「あまり効果がないと思われるシチュエーション」としては、

◆ほとんど波が立っていないような、”ただ流れているだけの平面的な川”

 

◆ただ、その流れにボートを”乗せるだけ”で、簡単に目的地へ到達できるような瀬、川の構造

◆水量の極端に少ない岩だらけの川、瀬

などです。

このような状況においては、この「一人一艇トレーニング」を行う意味というのはあまりないでしょう。むしろ、逆に簡単になってしまう可能性が大です(笑)

まあ、全く意味がないということはありませんが、少なくとも、このトレーニング方法で意図している目的を得ることは難しいと思います。

この「一人一艇トレーニング」の目的は、ようするに一言で言ってしまえば、

より繊細で、正確なボートの操作感覚を身につけること

なのです!

以前の記事にも書きましたが、通常の時(より多くの人が乗っている時)の操作感覚とはかなり違ったものです。重さやボートの剛性が全く違いますからね。

知っておくべきことは、この「一人一艇トレーニング」での操作具合を、そのままそっくり通常の時にも当てはめようとすると失敗することになる可能性が高いということです、

あくまでも、このトレーニングで培った、より繊細で正確な操作感覚を、通常時のときに適応させ、さらには応用していこうというのが目的なのです。


(通常時のときに適応させる♪)

ここのところはとても重要なのでくれぐれも間違えないようにしてください♪

というわけで、これにて随分長くなってしまった「一人一艇トレーニング」の紹介&説明を終わりにしたいと思います。

個人的には、リバーガイドの技術を向上する上で非常におすすめのトレーニング方法です!

ただし実際にはこの方法を定期的にトレーニングを実践しているラフティング会社はほぼ皆無だと思いますが・・・。
(他にもやるべき事が多いので実践は難しいのでしょう。)

良かったら参考にしてみてください。

これはあくまでも私個人の考えに基づいて書いた内容です。もちろん絶対の方法ではないでしょうし、これが最良の方法というわけでもないでしょう

 

いや~非常に長くなってこの「一人一艇トレーニング」シリーズですが、ようやく終了です!

ここまで読んで頂いた方、本当にありがとうございます!