レースラフティングを使った「チームビルディング研修」~徳島県三好市イケダ湖静水~その②
前回の続きです。引き続き徳島県三好市イケダ湖の静水において「レースラフティング」を使った『チームビルディング研修(企業研修)』について書いていきます。
研修において、最初に室内オリエンテーションをし、その後、イケダ湖の静水へと移動しました。
そして、各チームでまずは基本的な動きを「試行錯誤」しながら練習してもらいます。
(徳島県三好市イケダ湖)
ラフティングのボートに乗るのは、ほぼ全員が初めての経験です。
激流を下る「コマーシャルラフティング」の経験者は数人いましたが、その時にはボート全体をコントロールしてくれるガイドが同乗していたはずです。
(吉野川でのコマーシャルラフティング。ガイドは私)
しかし、今回はそのような「ガイド」はボートにはいません。
「自分達だけ」でボートを操作するのです。
これが難しいのですよ(*^_^*)
ホント、難しいです!
99.9%くらいの高確率で、各チームのボートは真っ直ぐには進みません。
ほんの数メートル、時には数十センチ進んだだけで、左右に曲がり始めます。
その原因には様々な要素があります。
- 漕ぐタイミングのズレ
- 漕ぐ強さの違い
- 体重の違い
- 漕ぎ方(フォーム)の違い
などなど、ここでその原因の詳細を説明することは省きますが、ボートは色々な要素により、思うようには進まないのです!
『思うように進まない』
これが、このチームビルディング研修に「レースラフティング」を用いる理由の一つでもあります。
前述したように、通常のコマーシャルラフティングにおいてはボートをコントロールするガイドさんがいます。
漕ぎ手となるお客さんはガイドの指示に従い、ただ単純に「漕ぐだけ」です。
勿論、最低限タイミングを合わせるとかはするでしょうが、ボートの操作・コントロールに関しては、ほぼ気にしなくても良い状態です。
最終的な操作・コントロールはガイドさん一人が担っているからです。
つまり、ボートのコントロールに関しては、ガイドさん一人の意思で行っているのですね。
それに比べ、今回の研修で採用している「レースラフティング形式」においては、そのようなガイドさんが存在しないため、ボートに乗っているメンバー全員で操作・コントロールしなくてはいけないのです。
当然ですがガイドさんからの指示もありません。
ボートを上手く進める為には、ボートに乗っている全員が、各自、自分の意思で考え行動しなくてはいけないのです!
ここが大きな違いですね。
『思うように進まない』ボートに対し、チーム全員が自分が出来ることを考え、また同時に他の人との協調・調和を感じ、ゴールを目指し協力していかなくてはいけない・・・
そして、この違いがチームビルディングを目指す研修において、「レースラフティングを使う」大きなメリットとなってくるのです。
ゴールを目指す過程においては、メンバー間においての意見や感覚の違い、もしくはモチベーションの違いなども感じることでしょう。
もしかしたら意見の対立から、言い合いになるかもしれません。
そういったチーム内での問題・意見の衝突・・そして、それらを乗り越えての相互理解・協力を得て、最終的にチームとしてのパフォーマンスを上げていくことが研修の目的になるのです。
まあ、でもこれはあくまでも「チームビルディング研修」です。意見の衝突とは言っても、そこまで本格的なものとはならないでしょう(*^_^*)
ましてや本気の殴り合いになるとか・・・は流石にないですよね(笑)
「レースラフティング」という素材を通し、そういったチーム内での途中での経緯を踏まえながらも、同時にラフティングを楽しむ・・・そして皆で目標達成に向かって行動していく・・という「成功過程」を経験していくことがこの研修の目的になるかと思います。
本当の「勝負の世界・ビジネスの世界」においてのチーム内におけるそういったメンバー間の気持ちや感情の衝突・問題は、非常に複雑で繊細なものでもあり、時にチーム崩壊に発展するほど激しいものにさえなります。
実生活の場面において、万が一そのような状況になってしまった時に、「チーム崩壊」という最悪の結果に陥らないようにする為に、そしてチームの目標達成の為に、自分がどのような行動を起こすべきなのか・・・その手助けとなるような体験をこの研修で簡易的ながらも経験することが出来れば、これは研修としては大成功と言えるのではないでしょうか。
話を実際の研修に戻しましょう(*^_^*)
基本的な動きの練習を一通り行ったあと、「H2H形式」のレースを行いました。
「H2H」とはレースラフティングの種目の一つです。
(こちらを参考に→H2H種目)
ボート操作に加え、コース取りなど、各チームの作戦も重要になってきます。
単純なレースなので、みんな楽しそうに行っていましたね♪
そして、研修2日目はいよいよ「スラローム種目」です!
(こちらを参考に→スラローム種目)
(イケダの水面上にロープで吊るしたゲートを設置)
このスラロームは、コースがやや複雑に設定されています。
ただ単純に真っ直ぐ進むだけでなく。あらかじめ設定されたコース通りにゲートを通過する必要があるのですから大変です!
しかも、ゲートに接触したり、不通化したりするとペナルティがついてしまいます。
ボートのスピードと共に、コントロール力、そして作戦が重要になってきます。
ここがまさに、チーム力の発揮どころとなるのです(*^_^*)
レースは各チームで2本ずつ行います。
ですから例え1本目で失敗しても、2本目があります。1本目で犯したミスを2本目で修正することも可能なのです!
この「修正」においても、チーム力が問われるわけです。
2本目で大幅に修正してきたチームもありましたし、逆にその修正が裏目に出てタイムを落としてしまったチームもありました。
これもチームビルディング研修における一面かと思います。
今回は結果的にはタイムを落としてしまったわけですが、あくまでチーム全員で目標達成に向けて努力した結果であれば、何の問題も無いわけです。
単なる「目標達成までの過程の一つ」と考えれば良いわけです。大事な事はチーム内での目標達成に向けての「気持ち・行動のベクトル」が一致しているかどうかですから。
そして、イケダ湖でのラフティングを終了したあとには、室内に移動して、それらの振り返りを各チームで行います。
そこで話し合うことは
- 今回のラフティングレースを通し、各自感じたことや思ったこと
- その過程でチーム内で起こったことは?
- その結果、チームのパフォーマンス(成長)は、どのように変化していったか?
などを各個人が各チーム内で出し合います。
そして、それをチームでまとめ、全員の前で発表してもらいました。
その内容は当然ながら、各チームで異なります。
そういった違いを知ることも今回の研修の目的・成果の一つなのではないかと思います。
そして、最後に
今回の研修で体験・経験したことを実際の生活にどう繋げていくか?
を各自・各チームで確認・発表して研修は終了となります。
今回、参加していただいた方々からは、非常にたくさんの意見や感想が出されました。
中にはかなり個性的なものも(*^_^*)
このレースラフティングを利用したチームビルディング・企業研修の試みはまだ始まったばかりです。
しかし、その可能性は非常に大きいものだと感じます。
来年2020年には東京五輪が開催され、日本国内には人工コースが建築されました。
五輪後には、その人工コースの様々な面での活用が期待されます。
- 競技のトレーニング
- コマーシャルラフティング
などが当然考えられますが、このラフティングを用いたチームビルディング・企業研修も、そういった活用方法の一つになると思います。
実際に私が以前働いたこともあるオーストラリア・シドニー近郊にある人工コースも、シドニー五輪後には、企業研修に使われていたりしました。
そういった人工コースでは、今回のような静水に加えて、流水でのチームビルディング・企業研修も可能となってくるでしょう。
非常に面白いと思いますね。
またそういった研修を行う人材としては、コマーシャルラフティングのガイドの経験に加え、当然ながらレースラフティングの経験も同時に有する人材が求められます。
そういった意味で、今回、講師を務めた阿部雅代氏(アベちゃん)や、もしくは私のような経験をもった人達の新たな活動の場が広がるかもしれませんね♪
もし自身の会社・組織において「チームビルディング研修」を考えている方がいましたら、一度この『レースラフティング』を用いたものを試されてはいかがでしょうか?
これまでの既存のチームビルディング・企業研修とは、一味も二味も違ったものになるかもしれません♪
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