「インフレータブルボート」の真骨頂!
引き続き、テーマはリバーガイド(ラフティングのガイド)のトレーニング方法である「一人一艇トレーニング」の紹介と説明です。
現在、話の内容が、若干、膨らんできてしまってますが・・・
ここまでの流れです(かなり専門的な内容になっています)
- 「一人一艇トレーニング」
- 「一人一艇トレーニング」 では何が違う??
- 「推進力」が無くなると・・・
- 「推進力」がなくなると・・(その2)
- 失ってみて初めて気付く・・・・「お客さんの漕ぎの重要性」
- 確認です(一人一艇トレーニングの)
- ”重さ”というエネルギー
- ”重さ”というエネルギーが無くなると・・・
- 波の頂点における”重さ”の影響
- ラフティングボートは「インフレータブル」
- ラフティングにおける「ボートの剛性」
- “形状”と”剛性”
- ラフティングはなぜ「インフレータブル」なのか?
- ラフティングにおける「インフレータブルボート」の利点
今回は、前回の記事の最後に書いた
「ラフティングのボートは、より安全に、そしてより簡単に、その”複雑な流れ”に対処できるように”柔らかいインフレータブルボート”になっている」
という点について、実際のラフティングの写真を用いて説明します♪
「川の激流」というのは、場所によっては本当に複雑なものとなります。
時には、ボートに対し、様々な方向から「ボートを転覆しようとする力」が同時に働くことものあるのです。
例えば、こんな状況です。これは徳島県吉野川、小歩危での激流「曲がりど」でのものです。
(ラフティング会社SAFARIのガイド達です! トレーニング中♪)
水量は通常よりも多めのときです。「曲がりど」最大のドロップ(落ち込み部)を落ちた瞬間の画像です。
この状況、この瞬間ではボートに対し、大まかに言えば、「3つの水の流れ」が作用しています。
1 上流から流れてきている水(ボートの後ろから)
2 落ち込み部において、ボートに対し、横方向から当たってきているホールのバックウォッシュ(逆流)
3 ボートの正面から当たってきているホールのバックウォッシュ(逆流)
そして、次の瞬間を捉えた画像がこちらです。
ボートの右側から水が当たり、ボートを”転覆させようとしています”
写真では、矢印を一つしか書いていませんが、実際には上記の3つの力が全てボートに影響した結果、最終的にこのような形になっています。
そして、
この瞬間、ボートはこの右側から当たってきている”ボートを転覆させようとする力”を、その”柔らかさ”で逃しているのです!!
見た目にはほとんど分からないでしょう。しかし、実際にはボートは多少なりとも部分的に変形しているのです。
ボートが、それ自体を変形させることで、ボートの一部に加わった”ボートを転覆させようとする力”が、ボート全体に伝わる割合を減らしているのですね♪
結果的に、このボートは転覆せずに済みました。
もちろん、乗船しているガイド達が「それなりの対応」をしたというのも、転覆しなかった大きな理由なのですが、ボート自体の性能(インフレータブルということ)が、影響を及ぼした部分も大きいのです。
もし、このボートがリジットボートであったなら(現在、そのようなラフトはありませんが)結果は全く違ったものになったかもしれません。
さて、ここまで数回にわたり、「ボートの剛性」 「インフレータブルボート」について説明してきました。
ここで、ようやく、話をテーマ「一人一艇トレーニング」に戻します(笑)
以前の記事で、
「一人一艇トレーニング」を行う上で生じてくる、通常時との「違い」として、
”ボートの性能、そのものが変わる”
があると書きました。
では、次回から、なぜこのようなことが起こるのか?
このことが「一人一艇トレーニング」を行うことによって、どんな影響、効果を持っているかについて、これまで説明してきたことを踏まえて書いていきたいと思います♪
ようやくですね・・・
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