波の頂点における”重さ”の影響(ラフティングにおいて)
引き続きリバーガイド(ラフティングのガイド)の「一人一艇トレーニング」の紹介&説明です。
今回は、このトレーニングがもたらす影響の一つである
「ボートの水面に対する接地面積」について説明したいと思います。
(一人一艇トレーニングの最中。ボートの挙動に注目! 今回の内容です♪)
ここまでの流れは以下の通りです。
かなりマニアックな内容となっているので、ラフティング技術に全く興味ない方にとっては、恐ろしくつまらない内容となっています(笑)
- 「一人一艇トレーニング」
- 「一人一艇トレーニング」 では何が違う??
- 「推進力」が無くなると・・・
- 「推進力」がなくなると・・(その2)
- 失ってみて初めて気付く・・・・「お客さんの漕ぎの重要性」
- 確認です(一人一艇トレーニングの)
- ”重さ”というエネルギー
- ”重さ”というエネルギーが無くなると・・・
前回の記事では、「一人一艇トレーニング」により、ボートの速さと重さが、通常よりも遅くて軽くなることにより、
ボートの運動エネルギーが小さくなり、その結果、
●波を上手く突破するためには、もしくは、自分の望むような方向への波の超え方をするためには、より「繊細なアングル操作」「正確な角度調整」の感覚が必要となってくる。
●波(またはそのような構造)にボートを当てる、その時その時の状況において、”最適な角度”を作る際の「失敗の許容範囲」というものが、通常の時(エネルギーが大きい時)と比べて、極端に狭くなる。
ということを簡単に説明しました。
今回は、それについての補足説明です♪
ボートがより軽くなったために、”より繊細な角度調整”が必要になってくる、もう一つの理由についてです。
その理由とは、重さが変わったことにより、波を乗り越える際の「ボートの水面に対する接地面積」が変わってくるためです。
どういうことか説明します。
まず、前提として確認しておきたいことですが、
ラフティングのボートが波の頂点を越えるときには、多少なりともその波の頂点を崩して進みます。
それはボートの持っている運動エネルギーの大きさ(速さと重さによって決まる)に、左右される割合がもちろん大きいです。
これは前回の記事で説明したとおりです。
ですが、それに加えて
その時の波の崩れ具合というものは、ただ単純に「ボートの重さ」によるところも大きいのです。
「崩れ具合」という表現より、むしろ「上から押し潰す具合」としたほうが良いかもしれません。
この理由も簡単です。
ボート自体の大きさが(浮力)が一緒であれば、その重量が重ければ重たいほど、ボートは水面下に沈むからです。
イメージはこんな感じとなります。
まずは、ボートが軽い時です。
ボートは軽いので、ボート自体の浮力が充分であれば、ボートのほとんどは”水面上に浮いている”ような状態となります。
一方、ボートが重い時のイメージはこちらです。
上のイメージと同じボートであれば、ボートが重ければ重いほど、下(水中)にボートは沈みます。
では、この状態を「波を越える瞬間」に置き換えてみましょう。
全く同じことが波の頂点でも起こるのです。
まずは、ボートが軽い時です。
ボートは波の頂点でも、あまり水面下には沈まないので、波の頂点において、ボートの水面に対する接地面積というものは、極端に小さいものとなるのです。
そうなると、ボートはほとんど、”水からの抵抗を受けない” という状態になります。
言い換えれば、ボートは”ほとんど空中にある”とも言えるのですね♪
抵抗を受けないということは・・・・
わずかな力で、ボートは回ってしまう⇒より繊細な力の入れ具合、角度の調節具合が必要になってくるというわけです!!
では、今度はボートが重い時での、波での頂点でのイメージです
↓ ↓ ↓
(*このイメージでは、波にぶつかる前の段階でボートは水面上に浮いていますが、厳密に言えば、最初の段階でボートは既に若干水中に沈んでいるはずです。)
ボートは、やはり波の頂点でも、その重さにより水中に沈んだ状態となります。
すると、どうなるでしょうか?
イメージでも分かるように、ボートの水面の対しての接地面積というものは、軽い時に比べて、かなり大きい(広い)ものとなるのが理解できます。
ということは・・・
より大きな抵抗を水から受ける⇒その分、ボートは回りにくい⇒安定しているとも言える!!
ということになります。
注意してもらいたい事は、これはどっちが”良い事”という比較ではありません!
単に”重さ”の違いだけでも、波の頂点のおける”ボートの反応”が違ってくるという話しです。
ようするに、「一人一艇トレーニング」によって、この違いを明確に感じ、より繊細な感覚を身に付ける事によって、通常時での操作感覚、操作技術の向上に役立てるという意図があるわけなのです。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません