カービンターンの”壁”を作る♪
かな~り、長くなってきた「レースラフティングにおける運動エネルギー」の記事です。
レースラフティングにおいて、ボートを上手くカーブさせるための、ボートの持っている「運動エネルギーの方向の変換」について書いています。
”其の方法の一つ”としての「カービングターン」を実際の映像を用いて説明しています。
ここまでの流れです(かなり専門的となっています・・)
(また、このテーマでは「ボートの運動エネルギーの扱い方」という事に重点を置いているので、パドリングワーク(漕ぎの技術)そのものの説明については省略しています)
- レースラフティングにおける「運動エネルギー」
- レースラフティングにおける「運動エネルギー」 の基本原則
- ラフティングと「エネルギー保存の法則」?
- 減少する「ボートの運動エネルギー」
- 運動エネルギーが減ったら?⇒加えれば良い!
- ちょっとまとめます♪(レースラフティングにおける運動エネルギー)
- ラフティングと「慣性の法則」
- ラフティングにおいて「慣性」は敵か味方か?
- 敵にも味方にもなりえる運動エネルギー!
- 運動エネルギーの方向の変換!
- 変換させたものとは!?
- 運動エネルギーの方向変換部分で起こっていること(一例)
- 外側、そして内側からも変換!
- ラフティングのボート周辺には「水」がある♪
- ラフティングにおける『カービングターン』♪
- カーブの内側で・・ラフティングにおける「カービングターン」
- カーブの外側で・・ラフティングにおける「カービングターン」
毎度おなじみこちらの動画を使って説明しています♪
↓ ↓ ↓
(このyou tubeのサイトは当時一緒のチーム(Rafting team Teikei)で、今も同じチーム(cloud9)の鈴木達也選手のサイトです。たくさんのラフティングレースや練習の映像がアップされているので、参考になるものも多いと思います)
前回は、
カーブの外側において、ボートの周りのある「水」と自分の「パドル」を使って、”壁”を作り出し、「作用反作用の法則」を利用する。
その”壁”を作ることにより、水から受ける「反作用の力」をパドルを通じボートに伝え、その力により、ボートの運動エネルギーの方向の変換を行う・・・・
というところまで書きました。
ある物体が他の物体に作用を及ぼすとき、それとは逆向きで大きさの等しい反作用が常に働くというもの
まあ、単純に簡単に言えば「押せば押し返される」と考えておけば良いでしょう(笑)
これは、ボートの持っている推進力(=運動エネルギー)を「そのまま利用する」とも言えます。
ここが重要なところですね♪
では、今回からは、この”壁”ができる原理。そして、なぜボートの推進力がカービングターンをするにあたって重要になってくるのか・・・を説明していきたいと思います。
まず、”壁”ができる原理です。順に説明していきましょう。
上の画像では、カーブの外側(ボートの右後ろにいる私の位置)で、パドルを水中に入れています。
この水に入れている「パドル」と「そこに当たってくる水」によって、”壁”を作っているのです。
下の図を見てください。
こんな感じで、ボートの前方からパドルに向かってきた「水」を、パドルでもって、斜め後方に受け流しているのです。
”受け流している” というより ”跳ね返している”と表現したほうが良いかもしれません!
つまり、このパドルにより、パドルに向かってきている水の流れの方向を変換しているのです。
この「方向変換された水の流れ(=力」が重要な役割を果たします。
では、次にこの「方向変換された水の力」を2つの力に分解します。
ボートの中心軸に対し、平行方向と垂直方向の2つです。
パドルの部分を拡大してみます。そうすると下図のようになります。
図で見てもらえれば分かるように、この「方向変換された水の力」というものは「2つの新しい力」に分解できます。
つまり
①「ボートに対しカーブの外側に向かう力」
②「ボートの真後ろ方向に受け流された力」 の2つです。
=「ボートに対しカーブの外側に向かう力」+「ボートの真後ろ方向に受け流された力」
という関係です。
この関係式が「なぜボートの推進力がカービングターンをするにあたって重要になってくるのか・・・」に大きな影響を与えてくるのですが、この点については、また後から説明します。
とりあえず、この「ボートに対しカーブの外側に向かう力」に注目してください。
この力は、言い換えれば”パドルで水をカーブの外側に押す力”ともなります。
ようするに、ボートの外側に存在している「水の壁を押している状態」です。
すると、そこには「作用反作用の法則」が働き、同等の力で「はね返される」ことになります(他に何も抵抗がなければ・・)
つまり、「ボートをカーブの内側に押し返す力」に変換させるわけですね♪
この力は、「ボートの後ろがカーブの外側に滑ってしまう(流れる)」のを抑えてくれる力となります。
ボートの横滑り(スライド)を抑えてくれる”壁”の完成です♪
この”壁”が、「カービングターン」を仕上げているのです(あくまで”一つの方法”です)
長くなったので、今回はここまでです。
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