カービンターンの”壁”を作る♪

2019年8月20日

かな~り、長くなってきた「レースラフティングにおける運動エネルギー」の記事です。

レースラフティングにおいて、ボートを上手くカーブさせるための、ボートの持っている「運動エネルギーの方向の変換」について書いています。

”其の方法の一つ”としての「カービングターン」を実際の映像を用いて説明しています。


ここまでの流れです(かなり専門的となっています・・)

これらの内容は、私の感覚・イメージを「物理」に当てはめて説明しようとしている事なので、もしかしたら「物理学的」に間違っていることを書いているかもしれません。その際にはご指摘して頂けると嬉しいですm(_ _)m

(また、このテーマでは「ボートの運動エネルギーの扱い方」という事に重点を置いているので、パドリングワーク(漕ぎの技術)そのものの説明については省略しています)

毎度おなじみこちらの動画を使って説明しています♪
↓ ↓ ↓


(このyou tubeのサイトは当時一緒のチーム(Rafting team Teikei)で、今も同じチーム(cloud9)の鈴木達也選手のサイトです。たくさんのラフティングレースや練習の映像がアップされているので、参考になるものも多いと思います)

前回は、

カーブの外側において、ボートの周りのある「水」と自分の「パドル」を使って、”壁”を作り出し、「作用反作用の法則」を利用する。

その”壁”を作ることにより、水から受ける「反作用の力」をパドルを通じボートに伝え、その力により、ボートの運動エネルギーの方向の変換を行う・・・・

というところまで書きました。

ちなみに「作用反作用の法則」とは
ある物体が他の物体に作用を及ぼすとき、それとは逆向きで大きさの等しい反作用が常に働くというもの
まあ、単純に簡単に言えば「押せば押し返される」と考えておけば良いでしょう(笑)

 

 

これは、ボートの持っている推進力(=運動エネルギー)を「そのまま利用する」とも言えます。

ここが重要なところですね♪

では、今回からは、この”壁”ができる原理。そして、なぜボートの推進力がカービングターンをするにあたって重要になってくるのか・・・を説明していきたいと思います。

まず、”壁”ができる原理です。順に説明していきましょう。

上の画像では、カーブの外側(ボートの右後ろにいる私の位置)で、パドルを水中に入れています。

この水に入れている「パドル」と「そこに当たってくる水」によって、”壁”を作っているのです。

下の図を見てください。

 

こんな感じで、ボートの前方からパドルに向かってきた「水」を、パドルでもって、斜め後方に受け流しているのです。

”受け流している” というより ”跳ね返している”と表現したほうが良いかもしれません!

つまり、このパドルにより、パドルに向かってきている水の流れの方向を変換しているのです。

この「方向変換された水の流れ(=力」が重要な役割を果たします。

では、次にこの「方向変換された水の力」を2つの力に分解します。

ボートの中心軸に対し、平行方向垂直方向の2つです。

パドルの部分を拡大してみます。そうすると下図のようになります。

 

<注意>上の図において、パドルに当たってくる水の向きとパドルの角度は「あくまでもイメージ」です。実際の角度は違ったものとなります。

 

図で見てもらえれば分かるように、この「方向変換された水の力」というものは「2つの新しい力」に分解できます。

つまり
①「ボートに対しカーブの外側に向かう力」
②「ボートの真後ろ方向に受け流された力」 の2つです。

「パドルに当たってきた力」
 =「ボートに対しカーブの外側に向かう力」+「ボートの真後ろ方向に受け流された力」

 

という関係です。

この関係式が「なぜボートの推進力がカービングターンをするにあたって重要になってくるのか・・・」に大きな影響を与えてくるのですが、この点については、また後から説明します。

 

とりあえず、この「ボートに対しカーブの外側に向かう力」に注目してください。

この力は、言い換えれば”パドルで水をカーブの外側に押す力”ともなります。

ようするに、ボートの外側に存在している「水の壁を押している状態」です。

すると、そこには「作用反作用の法則」が働き、同等の力で「はね返される」ことになります(他に何も抵抗がなければ・・)

$ラフティング道

つまり、「ボートをカーブの内側に押し返す力」に変換させるわけですね♪

この力は、「ボートの後ろがカーブの外側に滑ってしまう(流れる)」のを抑えてくれる力となります。

ボートの横滑り(スライド)を抑えてくれる”壁”の完成です♪

この”壁”が、「カービングターン」を仕上げているのです(あくまで”一つの方法”です)

長くなったので、今回はここまでです。

<→続きはこちらです>