運動エネルギーの方向の変換

2019年8月20日

さてさて、今回も今回も、引き続きテーマ「レースラフティングにおける運動エネルギー」の記事です。

これらの内容は、私の感覚・イメージを「物理」に当てはめて説明しようとしている事なので、もしかしたら「物理学的」に間違っていることを書いているかもしれません。その際にはご指摘して頂けると嬉しいですm(_ _)m

ここまでの流れです。

前回の記事では、レースラフティングにおいて、ボートがカーブしていく時によく起こる、

「ボートの進む方向」と「運動エネルギーの方向」のズレというものを説明しました。

これは、「慣性の法則」というものが、大きな影響を与えているためです。

直線上を進むボートでは、「ボートの進む方向」と「運動エネルギーの方向」は常に一緒であるために、そのエネルギーというものは”ボートを真っ直ぐに進ませようとしてくれる”味方でした。

しかし、カーブにおいては、その運動エネルギーは、「慣性の法則」により、そのまま真っ直ぐに進もうとするので、”ボートを上手くカーブさせない敵”となってしまっているのです。

この敵を上手く自分の味方にするには、カーブにおいて、この「運動エネルギーの向き」もボートと一緒に変えてあげれば、そのまま”味方”でいてくれるはずです。

つまり、ボート内の「運動エネルギーの方向の変換」が上手くできればいいわけです♪

と、ここまでが前回の内容でした。

では、今回からはこの「運動エネルギーの方向の変換」というものについて説明していきたいと思います。

まあ、説明といっても、これはあくまでも私個人が考えているものなので、「ラフティングレースにおけるカーブでの方法理論の一つ」という位置付けで読んで頂ければと思っています。

少しずつ段階を追って説明していきます♪

いきなりラフティングではなく、まずは分り易いように身近な自転車を例にして、「運動エネルギーの方向の変換」について説明していきたいと思います。

「自転車で、坂道を下って、そして再び上がる」 という状況を想像してみてください。

イメージとしてはこんな感じです。

このような坂道の経験は誰にでもあるのではないでしょうか?(ない方もいるかな・・・)

この状況において、楽に登り坂を自転車で上がろうとするなら、皆さんはどうするでしょうか??

おそらくほとんどの人は、

「下り坂でブレーキをかけずに、スピードを上げたまま登り坂に突入していく・・・」

と考えるでしょう。

その時のイメージはこちらとなります。

 

もし、下り坂の途中などでブレーきをかけ速度を落としてしまうと、その後の登り坂はその分大変になってしまいます。

この時のイメージはこちら。

 

これはあまり深く考えるまでもなく、誰でも経験上簡単に想像できるのではないでしょうか?

つまり、下り坂において、充分に自転車の速度を上げれば上げるほど、その直後の登り坂は楽になります。

逆に、下り坂において、途中で自転車の速度が遅くなれば遅くなるほど、その直後の登り坂はしんどくなります。

これは別の言い方をすれば、下り坂で作った自転車の運動エネルギーを、どれだけ無駄にせずに、その後の登り坂に利用することが出来たか?とも言えます。

以前にも紹介しましたが、物体の運動エネルギーというものは以下の公式で表されます。

K= 1/2mv ²
(Kが運動エネルギー、mは物体の質量vは速さです)

 

下り坂で自転車(重さmとする)の速度(v)が上がれば上がるほど、その運動エネルギーKの値は大きくなるのです。

ブレーキ要素により、その速度(v)が遅くなればその分、運動エネルギーは小さくなります。

「運動エネルギー」というものは、

運動(移動)している物体が、「さらにその状態で動き続けるためのエネルギー」とも言えます。

ですから、この運動エネルギーを下り坂において、どれだけ大きくし、そしてどれだけそれを維持したまま、その後の登り坂に行けるか・・・ということが、非常に重要になってくるのですね。

 

この状況においては、それが「下り坂でなるべく自転車のスピードを上げ、そのまま減速せずに登り坂に進入する」ということになります♪

さて、では、この状況において、上手くスピードをあげ、そのまま減速せずに登り坂を楽に上がることができたとしましょう!

この状況をもう少し細かく確認していきますね♪

もう一度この最初のイメージを見てください。

自転車は最初下り坂を進んで行きました。

自転車の進んでいる向き、そして運動エネルギーの向き、ともに”左斜め下向き”です。

そして、上手く運動エネルギーを維持したまま、上り坂を登っていきました。

この時の自転車の進んでいる向き、そして運動エネルギーの向きは、ともに”左斜め上向き”です

??

いつのまにか「運動エネルギーの方向の変換」が行われていることに気付いたでしょうか??(笑)

<→続きはこちらです>