ラフティングと「慣性の法則」

2019年8月19日

引き続き、「レースラフティングにおける運動エネルギー」に関して記事です。

このテーマでは、主に競技としてのラフティングにおける”ボートの持つエネルギー”について説明をしています。

$ラフティング道
(レースラフティング♪)

ここまでの流れはこんな感じです(かなり専門的というか物理的な内容となってしまっています・・・)

前回までの記事では、ボートの持つ「運動エネルギー」について、直線のみでのケースで説明してきました。

しかし、実際のレースラフティングにおいては、直線だけでなく”カーブ”も沢山あります。

よって今回からは、「カーブ(曲線)における運動エネルギー」について書いていきたいと思います。

この”カーブにおける運動エネルギーの扱い方”というものは、タイムを競うレースラフティングにおいて、実はかなり重要な要素となってくるのです。

そして、重要であると同時に、とても難しいところでもあります。

なぜかというと、直線のケースの時と比べて、もう一つ新たな運動の法則「非常に深~く」関わってくるためです。

それは「慣性の法則」です。

この法則は簡単に言えば、「物体が運動している時に、その運動の状態(速さ、向き)を続けようとする性質」のことです。

ようするに、

その物体になんらかの”外からの力”が働かないのであれば、静止している物体(速度0,向きは無し)は、そのまま静止し続け、まっすぐに運動(直線運動)している物体は、そのままの速度、向き(まっすぐ)で運動し続ける

 

という法則です。

これは、誰もが、日常の生活でも色んな場面で経験していることですね。例えば、全速力で真っ直ぐに走っていくとします。

そして、そのまま全速力で、いきなり90度の直角で曲がろうとしても、それは無理な話です(笑)
おそらく全員が90度以上の角度で、かなり大きく膨らんだ曲線で曲がることになると思います!

これは「慣性の法則」が働いている為です。

また別の例を挙げてみましょう!今後はやはり全速力で真っ直ぐに走っている状態からいきなり一瞬で止まろうとしてみます。

やはりそれは絶対に無理でしょう(*^_^*)

誰がやっても、止まろうとした瞬間から、ある程度前に進んだところでしか静止できないと思います。

これは、やはり「慣性の法則」が働いているためですね。

ようするに、自分(体重m)が走ることで、速度(v)が生まれます。するとその運動エネルギー(k)は、

K= 1/2mv ²
(Kが運動エネルギー、mは物体の質量vは速さです)

 

この公式はここ最近このブログでよく使わせたもらっています♪

真っ直ぐに走っている時の、このK= 1/2mv ² という運動エネルギーはの向きは、真っ直ぐです。

つまり、この時、「全速力で真っ直ぐに走っている自分」には、慣性の法則により、

「その速度で、そのまま真っ直ぐに進み続けようとするとする力」が働いているのです!!

その力があるために、すぐには止まれないのですね。

これらのことからも分かるように、実際には「直線運動」でも”慣性の法則”というのは、もちろん存在しています。

ただ、ボートを単純に”真っ直ぐに”進ませたいという状況においては、速度の変化はあっても、向きの変化はないので、”ボートの進み具合”としては、この慣性の法則をそれほど深く考える必要はないのです♪

正確に言うと、チームでボートを”純粋にまっすぐ進ませる”というのは、ものすごく難しく、細かい視点でボートの挙動を考えると、「直線運動」でも、この慣性の法則というのは”ものすごく深く”関係してくることです。

 

でも、それを持ちだしてしまうと、あまりにも複雑になりすぎるので、ここでは「真っ直ぐに進ませることができる」と仮定したうえで、話しを進めたいと思います)

そして、ボートを曲線的に進ませる必要がある「カーブ」においては、当然ながら、ボートはその向きを変えながら進む必要があります。

ボートの向きを変える必要がある・・・

しかし、

ボートの運動エネルギーは、慣性の法則により、”その向きを変えたがらない”

ということなのですね

これは、本当に厄介者です(笑)

というわけで、まだまだ続きます。

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