「通るライン」と「ボートの回転運動」
前回の記事(⇒それでもなお・・)の続きです。
もともと回想記(⇒過去記事はこちらです)として書いていたのですが、しばらくは、ガイドのスキル中心の記事になるので、今回からはテーマラフティング技術・理論(リバーガイド編)の記事として書いていきたいと思います。(なかなか回想記の話が進みませんが・・・・笑)
さて、今回からは、下のような簡単な図を用いて説明していきます。
図の上部が川の上流で、上から下に流れているものとして見てみて下さい♪
状況としては、
「岩の間をラフティングのボートで抜けて行きます。岩の間はボートがギリギリ通過できる幅です。 そして、そのまま流れに乗って、まっすぐに下ってしまうと、「危ない場所」B地点に行ってしまいます。
それを回避するためには、岩の間を抜けて、すぐに左(図のA地点)に行かなければいけない・・・」
といったケースです。
★ここでは、簡単に考えるために、ボートの進む向きを前向き限定で考えたいと思います。
(⇒ボートは前にしか進めない(漕げない)ということです。実際には後ろ向きにも漕げます)
つまり、危ないB地点に行かないようにするためには、最短距離で行くとすれば、下のような動きになります。(グレー色の楕円型をラフティングのボートとして考えて下さい)
岩と岩の間は、「ボートがギリギリ通れる幅」しかないので、その区間はボートは危ないB地点に向かって真っ直ぐな状態で進まなくてはいけません。
ですから、ボートをA地点に進ませるために、ボートの向きを変えることが出来るのは、「その狭い区間を抜けた後」 ということになります。
つまり、「ボートの向きを変える」イコール「ボートに回転運動を与える」ですね。
ですから、この状況で(あくまでも前向きオンリーという条件で)は、リバーガイドは、岩の間を抜けた後に、急いでボートを回転させる必要があるわけです。
もし、ここの流れが、極めてゆっくりで、ほぼ止まってるような状態であったなら、それほど急ぐ必要もありません。
しかし、川の流れがある程度の速さで、危ないB地点に向かっているとしたら、そう悠長にはしていられないのです(ここではそういった想定です)
したがって、ボートの通るライン(通り道のことです)は、必然的に次のようなもになります。
ある程度、真っ直ぐに進んで、そして「急激なカーブ」といった曲線です。
この「急激なカーブ」の部分が、リバーガイドがボートに「回転運動」を加えた部分となるわけです。
この場合は、物理的にこうするしかないわけです。
そして、もし仮に、片方の岩が無い状態であったなら、話は別です!
何もわざわざ真っ直ぐに進んでから急に曲がるよりも、前もって大きな弧を描くようにボートを進ませていけば、より簡単にボートをA地点のほうに向けることが出来るわけです。
車の運転と一緒です。
ある程度スピードがのった状態で、急なカーブに進入する時には、手前からインをつくよりも、最初はアウトに膨らんでから、インをつくほうが安全にカーブを曲がれますよね。
それと全く一緒です。(正確に言うと、川では『流れて』いるので、若干、というか全く異なってくるのですが・・・考え方という点です)
つまり、こうゆうことです。もし片側に岩がなかったら・・・
こんなラインを取ることも出来るわけです♪
ラインだけ見るとこうなります。
上のラインと比較すると、急激なカーブという部分がなくなって、全体的に緩やかなカーブを描いていますね。
これが出来れば、より安全にA地点に行けるわけです。
ですから、この状況をしっかりと判断できて、それを実行できる技術のあるガイドは、こちらの方法を取る人のほうが多いでしょう。
しっかりと実行できるかぎり、こちらのラインのほうがB地点に流されるリスクが少ないからです。
しかし、今回のケースではこのライン取りは出来ないといった状況なのです!
またまた長くなったので、次回に続きます♪
<→続きはこちらです>
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