「漕がせること」のリスク~その2~

2019年7月31日

前回(⇒「漕がせる」ことのリスク )の続きで、私が好きな、ラフティングツアーにおいて激流の中で、お客さんに「ガンガン漕いでもらうスタイル」の短所、及びリスクについて説明します。

漕ぐことにより、ボートにスピード、及び推進力(=突破力)を持たせることが出来るのが、このスタイルの最大の特徴なのですが、その操作には、より繊細な技術と、より強いパワーが必要となってきます!

これはどういうことかというと、ラフティングのボートは基本的に波やホールのバックウォッシュに対して、

「真っ直ぐに進んで、真っ直ぐに当てると、ボートはそのまま真っ直ぐ進む」のですが、

「前に進みながら左右どちらかに、角度を付けながら当てると、その角度のついた方向に進む」 

という性質(性能)を持っています。
(バックウォッシュに関してはこちらの記事を参考♪⇒「なぜボートは転覆するのか? 」)

ちょっと分かりづらいでしょうか?

例えば、高速道路で車を運転しているときには、そのハンドル操作は通常よりも小さく繊細なものになりますよね。

時速120キロで走行しているのに、時速40キロで走行している時と同じハンドルの切り方をする人は普通いません。

そんなことをしたらとんでもないことになってしまいます(横転?!)

これは同じ時間内で、接地面である道路に対しての、車の進む距離が違うためです(3倍ですね!)

私の計算が間違っていなければ、時速120キロの場合は1秒間で33.33メートル車は進みます。

時速40キロの場合は1秒間で11.11メートルです。

そのため、高速であればあるほど、そのハンドル操作において、角度は小さく細かい(繊細)なものとなるのです。

ラフティングの場合も、これと全く同じ事が当てはまるのです。

ボートの進むスピードが、川の流速よりも速くなればなるほど、この傾向は強まります。

さらに前述した

「波やバックウォッシュに対して、前に進みながら左右どちらかに、角度を付けながら当てると、その角度のついた方向に進む」 

という要素も、ボートのスピードが流速よりも速ければ速いほど、この傾向が強くなるのです。

そのため、激流の中で「お客さんにガンガン漕いでもらう」スタイルの場合には、狙ったラインにボートを進めせるには、より繊細で正確なボート操作技術が必要となってくるのです。

ただ単純に真っ直ぐ進むだけの激流でしたら、超カンタンです。

複雑な激流であるほど、このスタイルも難しいものとなってきます。

さらに、これはあくまでも、お客さんが「みんな合わせて漕いでくれた場合」での話です。

前回の記事で書いたように、お客さんの漕ぐリズムが激流の中で狂ってきてしまうと、その操作はより難しくなってしまうのです。

まして、どちらか一方が急に漕ぐのを止めてしまった場合などは、その操作コントロールは劇的に難しくなってしまうのです。
(前回の記事内の動画を参考にしてください)

これがラフティングツアーにおいて「ガンガン漕がせるスタイル」の難しさ=リスクの一つです。

「より強いパワー」が必要な理由はまた次回に説明します♪

激流の形状によっては、このスタイルは本当に難しい・・。でも成功した時の爽快感は大きいのです♪

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