極めれば最強の武器「慣性スライド」(レースラフティングの可能性 part8)

2019年8月28日

レースラフティングにおける「慣性スライド」の続きです。

ラフティングの競技「レースラフティング」における今後の可能性としての話です。(あくまで個人的な考えとなりますが・・・)

実現するのは難しいものですが、チームとして極めれば「最強の武器」の一つになることは間違いない技術です♪

このテーマのここまでの流れはこうなっています。

さて、ここ最近「慣性スライド」というものを書いてきましたが、実際にはどんな動きなのでしょうか?

これは、簡単に言ってしまえば、

元々のボートの動きに、”スライド(滑り)”を加える

ということになります。

イメージはこんな感じです。

 

ようするに、実際に自分達が漕いで進めているボートの動きに、ボートのスライド(滑り)を加えるということです。

これにより、ボートの最終的な軌道は、この2つの力の合力となります。

”合力”とは合成された力のことですね。 この辺のことはこちらの記事で簡単ですが説明してますので、興味のある方はどうぞ♪

 

では、実際の「慣性スライド」の動きを紹介します・・・と言いたいのですが、なかなかレースラフティングのおける意図的な「慣性スライド」の動画というものは無いのですね(笑)

実践しているチームが世界的に見てもほとんどいなかったので当然なのですが・・・。

そこでやっと見つけたのが・・・・自分達の動画でした(笑)

すみません

やはり以前所属していたチーム(テイケイ)時代のものです。 2010年のオランダでの世界大会直前のトレーニング時のものです。

岩の下流側にあるゲートで”Sターン”という動きをしているものです。

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、この動画で私達がやっていた動きも「慣性スライド」の一種と言っていいでしょう。

順を追って説明していきます。

まず上流から向かってきたボートが、ゲートに向かって向きを変えます。

そして、そこからボート自体の動きとしては「カービングターン」をしながらも、ゲートに向かう方向にボートをスライドさせているのです。

このスライドを生んだものは、それまでの直線で作ってきた運動エネルギーと、水の流れです。

$ラフティング道

ここで大事なことは、この「慣性スライド」という動きをしている最中のボートには、スライド(滑り)という力が、”勝手に”ボートに加わっているという点です。

自分達で漕ぐことによって、作っているのではありません。

この「慣性スライド」を始めた時点で、既にボートに加わり始めているということです。

「スライド」を生み出す要素は、最初は自分達で作り出す場合もありますし、川の流れなどを利用して、自分達の漕ぎ以外の要素からも生み出すことも可能です。

つまり、自分達が最終的に取りたいボートの軌道の”手助け”をしてもらうということです。

最終的な軌道=自分達の漕ぎ + スライド

 

という関係式となります。

このような関係を持った「慣性スライド」をすることが出来るのであれば、同じ労力(漕ぐこと)でも、異なる軌道をとることができるはずです。

それがより「速い軌道」にも繋がりますし、「より効率的な動き」にも繋がると思います。

ボートの動きに多くのバリエーションも出てくる事にもなります。

じゃあ、結局のところレースラフティングにおいて、

「カービングターン」と「慣性スライド」では、どちらが速いのでしょうか??

これは車でいう「グリップ走行」VS「ドリフト走行」のようなものですね(笑)

これは次回に続けます♪

<→続きはこちらです>

<補足情報!>この記事を書いてから3ヶ月後。この「慣性スライド」を限りなく私の考えに近い形で体現させたチームが出てきました。2013年・ニュージーランドでの世界大会におけるブラジルチームです!
こちらを参考→圧巻のBrazilian Style!体現した慣性スライド!