慣性スライドの感覚!(レースラフティングの可能性 part7)
前回の続きです。引き続き「慣性スライド」について書いていきます。
ラフティングの競技「レースラフティング」における今後の可能性として私の個人的な考えを書いています(*^_^*)
ちなみにテーマ「レースラフティングの可能性」としての流れは以下のようになっています。
- パドルの大きさ!?(レースラフティングの可能性 part1)
- 人数とタイミング!(レースラフティングの可能性 part2)
- 瀬で漕ぐタイミング!(レースラフティングの可能性 part3)
- 瀬で漕ぐタイミング-問題点(レースラフティングの可能性 part4)
- 理想は「生物」!?(レースラフティングの可能性 part5)
- 慣性スライド(レースラフティングの可能性 part6)
さて、この「慣性スライド」なんですが、前回の記事で現実的に実現可能と書きました。
がしかし、レースラフティングにおいて、チームとして常に高いレベルで実践することは、非常に困難な技術になってくると思います。
だからこそ、それを成し遂げたチームは未だ存在しないのです(2013年時点で私が知っている限りですが)
基本的に「たった1人」でボートのコントロールをするラフティングのガイド(リバーガイド)の中には確かに高いレベルで実践している人はいます(いました!)
しかし、それもほんの一握りです。
私がこれまでの約17年間のラフティング経験の中で、一緒に仕事をした数百人??のリバーガイドの中でも、”高いレベルで”この「慣性スライド」を駆使して激流を下っていたのは、
おそらく5人くらいではないでしょうか。
割合でいったら5%もいないですね。 100人に2~3人くらい???
大袈裟に聞こえるかもしれませんが・・・、実際そうでした。
環境の問題もあるでしょう。「スライド」が感じやすい川でしたら、このような感覚は、より得やすくなります。
”スライドを感じやすい川”とは、簡単にいえば「岩などの障害物の多い、流れも複雑&ある程度速いテクニカルな川」となります。
逆に、”スライドを感じにくい川”とは、「障害物の少ない、流れもある程度単純、川幅(流れ)の広い川」となるでしょう。
私が以前、ガイドしていたオーストラリアのタリー川などが前者の部類に入ります。例えばこちら。タリー川のステアケースと呼ばれる激流です。
そして、私が現在、ガイドしている四国の吉野川はどちらかと言えば後者の部類でしょう。吉野川にも「曲がりど」など複雑な流れを持つ激流は勿論あります。しかし川全体を比較するとなると上のタリー川とは全く異なるタイプとなります。
そんな吉野川の映像はこちら(ラフティングツアーは最高に面白いです♪)
障害物が多ければ、それだけ「ボートのスライド(滑り)具合」というものが、よりはっきり体験できるからです。
しかし、そんな”スライドを感じやすい”タリー川で働いていた13年間でも、「慣性スライド」を上手く使っていたガイドというのは、本当に一握りだったので、環境以外にも、他の要素が大きく関係しているのでしょう。
そんな数少ない、「慣性スライド」を上手く使っているガイドというのは、滅多にボートを転覆させることはなかったですね。
ガイド経験が長くなってくると、「慣性スライド」を意識してなくとも、その川、激流に体と感覚が慣れてしまうので、なんとなく無難に激流を下ってこれてしまうガイドというのは数多く存在します。
しかし、そういった「慣れ」に任せてしまっているガイドというのは、川の条件が変わってしまったときに、意外に簡単に転覆してしまったものです。
その点、「慣性スライド」をきちんと意識し、実践していた数少ないガイド達は、川の条件が変わっても、きちんと対応していました。
川の条件は変わっても、自分が使っている「感覚」は変わらないからです!
ちょっと話しがそれてしまいました。
何が言いたいのかといいますと、この「多くの人があまり持っていないであろう感覚&技術」を必要とする「慣性スライド」なのですが、
レースラフティングで実践するには、そのチームメンバー(4人、6人)全員が高いレベルで持たなければいけないということが条件となってきます!
これがまずは最初の大きな難題となってくるのは間違いないと思います。
そして、運良くメンバー全員が、この感覚&技術をもっていたとしても、
その感覚をチームとして、上手く一つにできるかどうか??
という難題が次にくることになります。この問題は、少し前の記事でも触れたことと全く同じです。
→理想は「生物」!?(レースラフティングの可能性 part5)
ようするに、ここでも復数の人間で、”一つの動き”をするというラフティングの難しさが、大きな問題となってくるのです。
⇒ラフティングチーム論
しかし、それだけ難しいからこそ、もしこの「慣性スライド」を高いレベルで実践できるようになったチームというのは、他のチームに対し圧倒的優位を持てるのではないか・・・と思うのです。
こちらを参考→圧巻のBrazilian Style!体現した慣性スライド!
では、実際にレースラフティングにおける「慣性スライド」とはどんな動きなのでしょうか?
なぜ、それが速いのでしょうか?
「カービングターン」と比較してどうなのか?
ということなどについて次回から書いていきます♪
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