圧巻のBrazilian Style!体現した慣性スライド!
ニュージーランドで『2013年ラフティング世界大会』が終わって早2週間が過ぎましたね~。(注意:今日に記事、非常に長いです・・・)
大会の動画が色々アップされているようです♪
1番注目された男子OPEN部門では、ブラジルが4年ぶりの総合優勝。
私が以前所属した日本男子チーム「テイケイ」は惜しくも2位の準優勝でした。
大会期間中に書いた記事はこちらです。
- 始まった~!!2013ラフティング世界大会!
- ニュージーランド・ラフティング世界大会「10分の3」が終了!
- 残り一日!!ニュージーランド・ラフティング世界大会
- 2013ラフティング世界大会~終了! ブラジル優勝!
大会全体のハイライト動画です(かなり長いのですが・・・・)
↓ ↓ ↓
今回から、年齢に応じて、U19、U23, OPEN,、MASTERと4部門での開催となったこの世界大会。
帰国した選手の方々から聞くと、今回の大会は、かなり素晴らしい運営だったようですね!
ニュージーランドの運営スタッフの方々、地元の方々が、相当頑張ったのでしょう♪
どうもお疲れ様でした!!
しかし、今回優勝したブラジル。
”かなり気合の入ったパフォーマンス”を魅せてくれました♪
まず、大会2日めの『H2H』
決勝での対チリ戦。
↓ ↓ ↓
物凄い闘志です!
結局、やりすぎてペナルティーを受け、結果的にチリに負けたのですが・・・・(笑)
しかし、見てて面白かった。
ブラジルのこのコンタクトに負けず対抗したチリも凄かったですね。
チリは、2年前のコスタリカでの世界大会で、彗星のごとく現れ、いきなり、このH2Hで優勝したのでした!!
その時は、私達も準決勝でこのチリに敗れました。
その時の最初の体当たりで受けた衝撃は、まさに”交通事故”!?
私達のボートが真横に1mほどふっ飛ばされたように感じたほどでした。
今回でこの種目2連覇です。これで、チリは完全に『H2H強国』と認知されましたね。
そして、圧巻だったのは、ブラジルのスラローム2本目です。
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このスラロームで、ブラジルは、圧倒的なタイムをたたき出し1位を取りました。
この映像で写っている1番ゲートから11番ゲートまでの”パフォーマンス”がスゴイです!!
この動き、以前、私が書いた「慣性スライド」の動き&要素を多々使っています!!
「慣性スライド」についてはこちらを参考♪
- 慣性スライド(レースラフティングの可能性 part6)
- 慣性スライドの感覚!(レースラフティングの可能性 part7)
- 極めれば最強の武器「慣性スライド」(レースラフティングの可能性 part8)
- 「カービングターン」VS「慣性スライド」!
ボートに対し、意図的に慣性を作り出し、ボートを全体的&部分的にスライドさせつつ進ませる・・・といった感じです。
それは、水(水面)に対してのスライドだったり、ゲートなどに対してのスライドです。
一見、ブラジル選手の派手な動きに目がいきがちですが、本当にスゴイのはボートの通っているラインです。
2番ゲートから4番ゲートにかけて、ボート全体のラインは、”ほぼ一直線上に”下ってきてます。
まさしく最短距離です!!
連続画像で見るとこうなってます。
「スライドさせているのに、何で一直線になるの?」
と思われるかもしれませんが、
スライドを使っているから一直線になるのです!
これが、もし完璧なカービングターンでこれらのゲートを通過するとなると、それは不可能です(おそらく)
ブラジルチームは、1番ゲートを出てからボートに加えた慣性(4番ゲートに向かって左岸方向に向かう慣性)に、各ポジションの選手が、また別の力を加えてます。
それぞれのボートの位置で、その状況に合った力を加えているのです。
もし、これらの力を加えなかったら、ボートは左岸方向にズルズルと流れてしまうでしょう。
リザルトを見ると、ブラジルは一本目で、2番ゲートを不通過してます。(ペナルティー50秒です)
映像がないので、なんとも言えませんが、おそらく、上と同じような動きをしようとして、失敗したのだと思います。
ともすれば、ものすごくリスキーな動きにもなります(他のチームにとっては)
しかし、彼らは失敗の許されない二本目にこのパフォーマンスを出してきました!!
普段から”チーム”として、このような動きを練習してきたのでしょう。
一番すごいのは、個人ではなくて、チームとしてこの動きを出来たことです。
その証拠に、あんなに”ギリギリ”の避け方をしているのにもかかわらず、
前の選手は、自分がゲートを避けた後、後ろを全く見てません!
普通だったら、あのような動きをした後というものは、前の選手は「後ろは大丈夫か?!」と思い、振り返って確認してしまうケースが多いのです。
全く振り返らず、すぐにそのまま次の動きにつなげているのです。
これは、後ろの選手を信頼し、そして、「そのボートの動き」を把握している証拠です。
彼らにとって、この動きが、”特別なもの”ではなくて、”自分達のチームにとって、できて当然のもの”といういう認識があるからでしょう。
おそらく、多くの人がこの動きを見て、「ブラジル、スゴイ!!カッコイイ!!」と思ったのではないでしょうか!?
そういう私自身も「この動きに混じりたい!」と思ってしまいましたね(笑)
まあ、もちろん彼らもいつも(どんな状況でも)この動きをできるわけではありません。
例えば、この2番ゲートと3番ゲートのどちらか1つでもゲートが低い設定だったのなら、この慣性スライド的な動きではゲートに接触してしまいます。
この状況だからそこ可能だったのです。
そして、だからこそ彼らもこの動きをしたのでしょう。
この動きを可能にしたものは、主に以下の3つの要素だと思います。
- 彼らの慣性に対する感覚
- その慣性を扱う技術
- その技術を可能とする身体能力&フィジカル
単純に技術的なものでいえば、それほど高度なパドリングテクニックは必要ではありません。
むしろ”感覚的な技術”の要素が強いですね♪
この2013年の大会を機に、ブラジルは「スラローム」において確実に一つ上のレベルに行ったと思います。
⬇の図は現行の世界大会が始まってからのスラロームの成績です。
スラロームにおいて2013年の大会後のブラジルの圧倒的な強さが目に付きます!
私が「慣性スライドを極めれば最強」といった事がある意味証明された形となった・・・と少しは思っています(*^_^*)
かなり長くなってきてしまってますが、ついで(今年最後?)なんで、もう一つ。
ブラジルチームの特徴は、その座り方にもあります。
下の画像を見てください♪ H2H決勝でのブラジル(左)とチリ(右)の一コマです。
ちょっと、見えにくいのですが、ブラジルチームは右後ろの選手を除いて、全員が後ろ足をスウォートの下に入れています!
スウォートというのは、ボートの内部にあるチューブ状のものです。
この座り方、非常に稀なのです
6人乗りの場合、多くのチームは前の2人だけこのようなスタイルで座り、他の4人はスウォートの上にまたがるようスタイルをとります。
画面右側のチリのようにです。これが現在の一般的なレーススタイルです。
私達もレースのときには後者のやり方です。
私達が、なぜ、このようなスタイルしているかというと・・・・・・
ちゃんと説明すると、さらに長くなるのでここでは省略(笑)
まあ、簡単にいえば、漕ぎやすさ、安定性、ボートにかかる体重のバランス、ボートの剛性などの要素を考慮し、トータル的なバランスを考えて、この一般的なスタイルとなることが多いのです。
一方、このブラジルのスタイル。
これは”漕ぎやすさ” ”動きやすさ” ”ボートから落ちない安定性”を重視したスタイルといえるでしょう。
まあ、本人達に確認したわけではないので、本当の理由はどうなのかわかりませんが・・・
足をスウォートの下に入れていることで、例えば、上半身を「思いっきり」ボートの外へ投げ出しても、落ちる心配はかなり軽減されるのです。
これが、スウォートをまたぐスタイルだと同じように「思いっきり」とはできません。落ちやすいですから(笑)
もちろん、このブラジルスタイルのほうが速いという話ではないです。
もし、そうなら他のチームも同じようにしますからね♪
ようするに、どの要素を取って、どの要素を捨てるか・・という問題なのです。
でも、この極端なスタイルが、またブラジルらしいですね♪
来年の世界大会はブラジルの人工コースです。
今回は6人制でしたが、今度は4人制。
6人と4人では全く違います。別競技と言っていいかも!?
母国開催のブラジルは当然、燃えてくるでしょう!
しかも、地元の声援に押され、ノリノリ状態になってくると予想されます。
彼らは、勢いに乗ると強いですからね。
優勝奪還に燃える日本チームの強敵になることは間違いないですね!
久々にたくさん書きました・・・(笑)
今年ももうすぐお終いですね。
今年は、なんだか専門的な内容ばかりのブログになってしまい、更新もあまりできていませんでした。
最近はちょっと色々とやること多く、これからも頻繁には更新できそうにないですが、地味に続けていきたいと思っています。
いい加減回想記も終わらせないとね(この台詞、なんども書いていますが・・・・)
今年も残り僅か。
皆さん、頑張って行きましょう~♪
ディスカッション
コメント一覧
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ブラジルは 個人技が 優れてたと言う事ですか?来年は ワールドカップも ブラジルですね
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>ひよこさん
こんにちは!個人技とチーム力の両方ですね!
そうですね、来年はブラジルがかなり熱いですね♪