運動エネルギーの方向変換部分で起こっていること(一例)

2019年8月20日

さてさて、今回も「レースラフティングにおける運動エネルギー」の記事です。
ラフティング競技において、ボートを操作する上で非常に重要となってくる「慣性の取り扱い」について説明しています。


(2007年韓国での世界大会。オーストラリアチームにて)

ここまでの流れです。

前回の続きです。

「自転車で、坂道を下って、そして再び上がる」という状況を例にし、「運動エネルギーの方向の変換」が起こっているケースを紹介しました。

その時のイメージとしてはこんな感じです。

 

図で見てもらえれば分かるように、この時の自転車の運動エネルギーの向きは、「左斜め下向き」から「左斜め上向き」へと変わっています。

では、今回は、この時の「運動エネルギーの方向の変換」がどのように起こっているかを考えて行きたいと思います。

(なかなかラフティングにいきませんが、ちゃんとあとで繋がっていきます♪)

まず、この「運動エネルギーの方向の変換」が起こっている部分に焦点を当てていきたいと思います。

つまり、道路が「下り坂」から「上り坂」に変わっている部分です。

上のイメージ図でいうと緑で囲った円形のところですね。

この緑の円形内の道路の曲線の部分です。

ここの最下部を拡大していきます。

さらに拡大していきます・・・・(頭の中で)

さらに、もっともっと拡大していきます・・・・・(頭の中で)

もっと・・・もっと・・・

すると、この曲線部分の最下部は、最終的に、”ものすごく短い直線部分”になると考えることが出来ます。

ようするに、ゆるやかな曲線を、

「数多くの、ものすごく短い直線が、少しづつ角度を付けて、連なっているもの」と考えてみてください。

イメージは、こんな感じです。

これはかなり大雑把なイメージですが・・・・

 

すると、この曲線の最下部では、自転車の運動エネルギーは、こんな感じでその方向を変換したと考えることができます。
↓ ↓ ↓

Aという運動エネルギーが、下り坂を下ってきた自転車の運動エネルギーです。

そして、Bという運動エネルギーが、登り坂を上がっていく自転車の運動エネルギーです。

ここまで、大丈夫でしょうか?

では、ここから、どのようにしてAという運動エネルギーが、Bという方向の異なる運動エネルギーに変わっていったのかを、簡単に説明します。

まず、このAという運動エネルギーを、2つの力に分解します。

”水平方向の力”と”垂直方向”の2つの力です。

「力の分解」とは、「力の合成」の逆です。

「力の合成」については、こちらの記事で簡単な説明をしています。

つまり、”Aという力”を対角線とし、さらに、水平方向と垂直方向に2辺を持つ平行四辺形(実際には長方形となる)をつくるわけです!

この時の2辺の長さが、そのまま其々の力の大きさとなります。

このときのイメージはこちら

 

つまり、Aという力は、上の図でいえば、オレンジ色(水平方向)と赤色(垂直方向)の2つの力の合力というわけです。

では、この2つの力が、先ほどの「運動エネルギーの方向の変換」が起こっている曲線の最下部(短い直線)ではどうなっているのかというと・・・・・

こうなっています!
↓ ↓ ↓

水平方向の力は、そのままの方向で進みます。

これは当たり前ですね。その方向には何もありませんから、当然、そのまま進み続けます!(これも慣性の法則です)

しかし、垂直方向の力はそうはいきません。

すぐ下に地面があるので、当然、地面にぶつかります!!

するとどうなるでしょうか??

ぶつかったら、跳ね返るのです!!

これは、「作用反作用の法則」というものですね♪

「作用反作用の法則」とは、

ある物体が他の物体に力(作用)を及ぼすとき、それとは逆向きで大きさの等しい力(反作用)が常に働く

 

というものです。

つまり、こうなります。
↓ ↓ ↓

地面にぶつかった力は、この法則により、その逆の方向(地面から上に垂直にあがる方向)に、等しい大きさで、新たに生まれ変わるというわけです。

図でいうと、紫色の力ですね。

そして、この新たに生まれた「紫の色の力」と、もともとあった「水平方向の力」を合成させると・・・・・

こうなります!
↓ ↓ ↓

Bになりました♪

最初の図に戻りましたね(笑)

つまり、Aという力は、地面にぶつかった際に、地面からうける「作用反作用の法則」により、Bという力に生まれ変わったのです!!

これが、このケースにおける運動エネルギーの方向の変換となっているわけです!!

今回、説明した内容は、レースラフティングにおける「カービングターン」の原理に大きく影響してくる内容です。

だいぶ長くなったので、また次回に続きます

これらの内容は、私の感覚・イメージを「物理」に当てはめて説明しようとしている事なので、もしかしたら「物理学的」に間違っていることを書いているかもしれません。その際にはご指摘して頂けると嬉しいですm(_ _)m

 

<→続きはこちらです>