“形状”と”剛性”

2019年8月20日

前回の続きです。

「一人一艇トレーニング」のテーマで、書いているのですが、”ちょっと”脱線気味になりつつありますm(__)m

一応、ここまでの流れです(かなり専門的な内容になっています・・)

さて、「ラフティングにおけるボートの剛性」という事なのですが、

これは、前回も書いたように、何もラフティングに限ったことではなく、他の競技においても同様です。

いろんな道具を使うスポーツにおいて、その「道具の剛性」といったものは、パフォーマンスを上げる上で、非常に重要な要素でしょう。

「道具を使うスポーツ」というものは、ようするに、

自らの肉体で生み出す”運動エネルギー”を、その道具の形状と剛性(=強さ、硬さ、柔らかさ・・etc)を介して、外に違った形の”運動エネルギー”とし新たに作り出す

と言えると思います。

別の言い方をすれば、

自分の筋肉や骨格などで、生み出した”力”を、”道具”というフィルターを通して、別の形に変化させる

というわけです。

ちょっと表現が難しくなってしまったのですが、これは次のような例を挙げれば簡単に理解できるでしょう。

例えば、野球のバッター。

バットを振って、それでボールを打つわけですが、これは上のような視点で考えてみると、

「自らが生み出した”力=運動エネルギー”を、バットという道具の形状、その剛性(=素材の強さ、弾力など)に、集約させている」

とも考えられるでしょう。

そして、バットの形状と、その剛性(=素材の強さ、弾力など)が、それを”別の形の運動エネルギー”に変換し、ボールにぶつかっていくわけです。

また、ラフティングと同じ水のスポーツである、「カヤック」を今度は例にしましょう。

例えば、こんな動き!! (最初は宣伝です。1:00辺りからの映像に注目♪)

カヤックが、飛び跳ねたり、空中で回ったりしています♪

これも、自らが生み出した”運動エネルギー”を、カヤックとパドルという道具を通し水に伝えることによって、このようなパフォーマンスを生み出していると考えることができます。(もちろん水からのエネルギーもあります!)

こんな感じで、道具を使うスポーツ、特に競技の世界では、その道具の形状、素材、強さ(=剛性とも言える)というものが、大変重要な要素となってくるのです。

それぞれの道具は、たくさんの研究、試行錯誤の末、その”形状”というものになっているのだと思います。

したがって、その”道具の形状”を保つ為の、その”道具の剛性”というものも非常に重要なものなのです。

例えば、上の動画の「カヤック(フリースタイル)」では、そのカヤックの多くは、形状を保つために、「ポリエチレン」という硬いプラスティックのような素材で作られています。

もし、このカヤックがラフティングのボートのように「空気で膨らます形式(インフレータブル)」で作られたなら、同じようなパフォーマンスをすることは、まず無理でしょう。

インフレータブルのカヤックでは、剛性が低すぎて、ここで生み出されている「運動エネルギー」に耐えられないからです。

その結果、カヤックの形状が変化してしまい、同レベルのパフォーマンスをすることはまず不可能でしょう。

形状が変化するということは、その操作性も低下するということです。

これを例を挙げれば簡単です。

自転車に乗っている時、もしハンドルがグラグラ動いてしまったら、非常に操作しにくいですよね??

ハンドルがグラグラ動く・・・ということは、その形状が常に変化しているということです。

つまり、その道具の”剛性”と、その”操作性”というのは、とても密接な関係にあると言えます。

一般的には、剛性が高いほど、操作性も増すのです。

もちろん、限度はありますが・・・(笑)

「じゃあ、硬ければ硬いほど良いのか??」というと、決してそうではありません。

(この説明はあまりにも話題が広がり過ぎてしまうので、ここではやめときます。笑)

ここで、再びラフティングに話を戻します。

ラフティングは、言い方は良くないかもしれませんが「しょせんゴムボート」なのです。

したがって、そのボートの剛性というものは、ポリエチレン製のカヤックなどに比べると、非常に低いものとなります。

なんせ、元はこんなペチャンコですから♪

$ラフティング道

では、なぜラフティングのボートは「インフレータブル」なのでしょうか??

操作性が増すなら、上のカヤックのように「もっと硬い素材」で、形状があまり変化しないものにしたほうが良いのではないのか??

と思うかもしれません。

これには、ちゃんとした理由があるのです♪

その辺を次回以降に書いていきたいと思います。

<→続きはこちらです>