「引き出し」の数
ここ最近、ずっと書いてきた「ラフティング技術」に関する記事です。いい加減まとめていきたいと思います♪
これまでの流れです。
- 「通るライン」と「ボートの回転運動」
- 「ライン」と「慣性の力」
- ラインの選択
- ある状況で「必要な要素」とは・・
- こんなガイドさんは・・・
- パワーだけで「技術」が無かったら・・・
- じゃあ、パワーがなかったら・・
- 技術だけでは・・
ここまでの記事で、結局は何が書きたいのかと言いますと・・ラフティングのボートを激流のなかで操作するリバーガイドにとっては、
「的確な判断力、状況把握力」はもちろんのこと、
「技術・テクニック」もあればあるだけ良いし、
「パワー・フィジカル」もあればあるだけ、さらに良し!
ということなのです。
(何を当たり前のことを偉そうに・・・と思っている方もいるでしょうが)
もちろん、ただあるだけでは意味がありません。それを上手く使い分ける能力も必要です。
例えば、「パワー」だったら、単に「大きいパワーだけ」を持っていても、実際の現場では使い物にならないでしょう。
「小さいパワー」「繊細なパワー」・・・などなど、色々な加減のパワーを使いこなせて、初めて「大きいパワー」も、その効果を発揮するものなのです。
さらに、もっと細かく言ってしまえば、「単純なパワーの大きさ」だけではなく、その「パワーを発揮できる状況、条件」においても、幅広い能力があったほうが良いのです。
例えば、Aというリバーガイドが、最大パワーを発揮できる「パドルワークの軌道」が、下の図のようにたった一つのパターンしか持っていなかったとします。
そうすると、万が一、この軌道ではパドルワークできない状況(物理的な問題や、タイミング的なものなど)になってしまった時、このリバーガイドA は、自分の最大パワーを発揮出来なくなってしまいます。
一方、仮にBというリバーガイドがいて、そのガイドはAと全く同じ最大パワーを持っていたとします。
そして、さらにBの場合は、そのパワーを発揮できるパターンを数多く持っていたとしましょう。
↓こんな感じですね。
Bのほうが「最大パワーを発揮できるパターン」を多く持っているので、それだけ対処できる状況の数も多くなってきます。
ようするに、「様々な種類の自分の能力」をしまっている「引き出しの数」が、多ければ多いほど、いざというときに対処できるパターンも多くなってくるというわけです。
当たり前のことですね。
引き出しに入っているものは、色々な種類のものです。
判断力、把握力、技術、パワー、精神力、体力、度胸、勇敢さ、臆病さ・・・etc.
「引き出し」の少ないガイドは、ある状況で自分の「引き出し」を開けてみたところで、
「あれ・・。何も入ってない・・・」
「やばい・・・」
と焦ってしまうことになります。
「持っているもの」が多ければ多いほど、「いざ!」という時に冷静に対処できるガイドになれるのではないでしょうか(「人」として考えても同じなのかも・・・)
あくまでも、私個人の考えですが(笑)
随分、長くなってきたこのシリーズですが、次回は最後に簡単にまとめたいと思います。
<→続きはこちらです>
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