ラインの選択

2019年8月20日

前回からの続きです。
(ラフティング技術の専門的な記事内容となっています)

これまでの流れです♪


前回は、2つの異なるライン取りにかかる「慣性の力」の違いについて説明しました。

こちらです。

 

右のライン(ボートの通り道)のほうが、カーブを曲がる際に、「外側に膨らみにくい⇒横滑りしにくい⇒下流に流されにくい」ということでした。(必ずというわけではありません)

ですが、今回のテーマにおける状況設定は以下のようなものでした。覚えていますか?(笑)
(ちょっと話が数回に渡ってしまっているので・・・確認します)

 

※※※※※※※※ 設定状況 ※※※※※※※※※※※※

$ラフティング道

状況: 岩の間をラフティングのボートで抜けて行きます。岩の間はボートがギリギリ通過できる幅です。 そして、そのまま流れに乗って、まっすぐに下ってしまうと、「危ない場所」B地点に行ってしまいます。
それを回避するためには、岩の間を抜けて、すぐに左(図のA地点)に行かなければいけない・・・

★ここでは、簡単に考えるために、ボートの進む向きを前向き限定で考えたいと思います
(⇒ボートは前にしか進めない(漕げない)ということです。実際には後ろ向きにも漕げます)

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

この状況において、リバーガイド(ラフティングのガイド)が考えることは、

・まずは、B地点の危ない場所に行かないようにするにはどうすればいいのか?

・B地点に行ってしまう(流されてしまう)リスクが、少ない方法は何か?

・その方法は、この状況下で、選択可能なものか??

といったものでしょう(一例です)

ですから、もしこの岩と岩の間が、十分に広いものであったなら・・・。 もしくは、左側の岩が存在しないというのであれば、より、リスクの少ない 『弧を描くような,緩やかなカーブで曲がるライン』を選択することが可能です。

下のイメージですね。

このようなライン取りの知識、そしてそれを実行できる技術を持っているガイドであれば、リスクを考えた上で、この方法を取ることが出来ます。

しかし、今回の状況ではこの方法は使えません。

なぜなら、岩の間が「ボートがギリギリ通過できる幅」しかないためです。 つまり、真っ直ぐ下流向きに下ってくるしかないわけです。
(前向き限定という条件で書いてます)

したがって、ライン取りとしては、一番上の図の左側、『真っ直ぐに進んで、急激に曲がるライン』しか選択肢がないわけです。

イメージはこうなります。

さあ、ここからが今回の話の核心に入っていきます !

ようやくです(笑) 長くてすみません・・・

回想記の記事(こちらの記事です⇒ケアンズでの「日本人リバーガイド像」その2 / ⇒技術 vs パワー!? )から、大きく脱線してきた最近の記事ですが、

これから書くことが、私がオーストラリアでのガイド生活で、「技術」+「パワー」を求めてきた一番の理由になるのです。

次回以降の記事では、このように「限定された状況」」において、

どういう状況で、どういったタイプのガイドは「対処できないケース」に陥ってしまうのか??

について私の考えを書いていきたいと思います♪

<→続きはこちらです>