「ライン」と「慣性の力」

2019年8月7日

前回(⇒「通るライン」と「ボートの回転運動」)の続きです。

(※回想記から、脱線して、ちょっと専門的な内容となっています・・・。すみません)

前回、2種類のライン(ボートの通り道)の比較をしました。

1.真っ直ぐに進んで、急激に曲がるライン と
2.弧を描くような,緩やかなカーブで曲がるライン です。

ある程度スピードに乗っている状態で曲がるときには、なるべく緩やかなカーブでもって曲がったほうが、カーブの外側に膨らみにくいのは、簡単に理解できると思います。

自分が走っていたり、車を運転している時と全く同じ原理です。

急激なカーブであればあるほど、強い遠心力がカーブの外側にかかるためですね♪

さらに、水の表面上に浮いているラフティングのボートは、その遠心力に加えて、「水面上を横滑りする」という要素が加わるので、その傾向はより強くなります。

車で氷の上を運転しているような感覚でしょうか?(経験ありませんが・・・笑)

今回は、もう少し、その辺を詳しく説明していきたいと思います。

では、2つのラインにそれぞれボートの動きを加えたいと思います。

最初は「真っ直ぐに進んで、急に曲がるライン」です。

$ラフティング道

青色の楕円形がラフト(ラフティングのボート)です。

図で見て分かるように、ボートもしばらくは真っ直ぐ前を向いていて、その後急激な回転運動をしています。

そして、次は「弧を描くような,緩やかなカーブで曲がるライン」です。

$ラフティング道

こちらは、赤いラインのカーブに沿って、ボートの向きも少しづつ変わっていき、緩やかなカーブを作っています。

並べて比較するとこうなります。

$ラフティング道

この両者の最大の違いは、カーブを描いている最中にボートにかかっている遠心力(=慣性の力)です。

物体が円運動(回転運動)を行なっている時には、必ず遠心力(外側への力)が働きますよね(多分、間違っていないと思うのですが・・)

「真っ直ぐに進んで、急に曲がるライン」の場合には、ボートが曲がろうとした時に、回転運動の外側(図で言うと下方)に、より強い遠心力(慣性の力)が働くため、

その際に外側にボートが流れやすくなってしまいます。ボートは水面上を横滑りするので尚更です。

こんなイメージです。

$ラフティング道

一方、「弧を描くような,緩やかなカーブで曲がるライン」の場合には、ゆっくりと少しずつボートの向きを変えてカーブしているため、常の遠心力が働いている状態なのですが、その力自体は小さいものとなります。

こちらのイメージはこんな感じ♪

$ラフティング道

外側への遠心力(慣性の力)はやはり生じているのですが、その強さはより小さいため、ボートは、その都度、それを打ち消しながら、緩やかなカーブを描いているわけです。

つまり、こちらのほうが外側に横滑りしにくいわけです。

(見た目的には、ラフティング競技で言う「カービングターン」に近い方法ですね。この時点では、まだ全然異なるものですが・・・。 これを突き詰めて、ほとんど横滑りしない状態まで持っていければ、「本物のカービングターン」となります♪)

(ついでなんで、もう一つ付け加えると、ここで説明しているライン自体が外側に膨らんでしまう慣性の力とは別に、ボート自体の回転慣性も生まれています。しかし、その説明ははより競技よりものとなってくるので、ここでは省略しておきます)

 

両者を並べて比較します。

実際の川では、この慣性の力以外にも、「川の流れ」が作用しますので、下の図のような状況で、スタートからゴールに確実に辿り着くには、

「弧を描くような,緩やかなカーブで曲がるライン」を選択したほうが、下流に流されるリスクは少なくなるわけです。

$ラフティング道
(これはほんの一例です。他にも方法はたくさんあります♪ これはあくまでも、今回の2例での比較です)

また次回に続きます

最近の記事は、興味ない方には、恐ろしくつまらない内容だと思います・・・。すみませんm(_ _)m

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