ある状況で「必要な要素」とは・・

2019年8月7日

前回(⇒ラインの選択)の続きです。

今回からは、

ある限定された状況において、どんなリバーガイド(ラフティングのガイド)が、「対処できないケース」に陥ってしまうのか?

について、引き続き簡単な図を使って、私の考えを書いていきたいと思います。

状況設定は以下の通りです。

 

※※※※※※※※ 設定状況 ※※※※※※※※※※※※

$ラフティング道

状況: 岩の間をラフティングのボートで抜けて行きます。岩の間はボートがギリギリ通過できる幅です。 そして、そのまま流れに乗って、まっすぐに下ってしまうと、「危ない場所」B地点に行ってしまいます。
それを回避するためには、岩の間を抜けて、すぐに左(図のA地点)に行かなければいけない・・・

★ここでは、簡単に考えるために、ボートの進む向きを前向き限定で考えたいと思います
(⇒ボートは前にしか進めない(漕げない)ということです。実際には後ろ向きにも漕げます)

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

このような条件では、ボートが通ってくるライン(通り道)は、以下の方法しかありません。

$ラフティング道

なぜなら、岩の間が「ボートがギリギリ通過できる幅」しかないためです。 つまり、真っ直ぐ下流向きに下ってくるしかないわけです。
(前向き限定という条件で書いてます)
したがって、ライン取りとしては、『真っ直ぐに進んで、急激に曲がるライン』しか選択肢がないわけです。

ここまでは、前回の記事で書きました。

ですから、理想的なボートの動きとしては、次のようなものになります。

$ラフティング道

これを達成するためには、基本的なものとして

1 岩の間に入るまでに、十分にスピードを落としておく。
2 岩を抜けたと同時に、素早くボートを的確な角度まで回転させる。

この2つが必要になってくるでしょう。

1の理由は

⇒スピードがあると、ボートを回転させた際に、下流向きの慣性力が強くなり、そのままB地点に流されるリスクが高まるため(*こちらの記事を参考)

⇒十分な幅がない岩の間に入ってからでは、パドルワーク(漕ぎの動作のこと)を使って、スピードダウンすることは難しいため

となります。

つまり、この状況をしっかりと見極める判断力と、それを着実に実行できる技術が必要となってくるのです。

いくら技術があっても、その状況を最初に確実に判断できなければ意味がないわけです。

そして、2の理由としては、

⇒なるべく早くボートを回転させて、方向転換しないと、そのまま危ないB地点に流されてしまうため

となります。

そして、それを実行するためには、最適な角度まで回転させる技術と、素早い回転をさせるパワーが必要となってくるのです。

つまり、この状況で、危ないB地点に流されないために、「最もリスクの少ない方法」を実行するためには、

1 判断力、把握力など
2 正確な技術
3 十分なパワー

この3つの要素が必要となってくるのです。

(というか、ここではそういうものだと考えて下さい。実際にはもっと色々な方法がありますが、あえて単純にしてます)

この3つのうち、どれか一つでも欠けたら、「最もリスクの低い方法」は実行できないのです!

では、もし、的確な判断力を持っていなかったとしたら・・・・

正確な技術を持っていなかったとしたら・・・・

十分なパワーを持っていなかったとしたら・・・・

次回からは、その辺のことを書いていきたいと思います。

<→続きはこちらです>