特攻野郎クリスチャン!
オーストラリアでリバーガイドをしていた時の回想記です♪(⇒過去記事はこちらです)
「Behana Gorge」というところで『ファースト・ディセント』をしたときの話を書いています。
ここまでの流れはこんな感じです♪
⇒『ファースト・ディセント!』
⇒『ファースト・ディセント!』part2
⇒『ファースト・ディセント』part3
⇒『ファースト・ディセント!』part4
私達3人が下流の激流の偵察をしている間に、一人先に上流に戻っていったクリスチャンは、私達に一言も伝えることなく、スタート地点の激流に突っ込んでいったのでした(笑)
まさに「特攻野郎クリスチャン」です!
その様子を下から見ていた私達は、急いでロープを持って川岸へと移動していったのでした。
クリスチャンが下ろうとしていた激流は、幅が狭く、最初の部分は数メートルの落差がいくつかあり、最後に5メートルほどの垂直の滝になっていたのです。
そして、その滝の真下には、大きな岩があり、流れの半分ほどはその岩に直撃していたので、ちょっと間違うとカヤックごとその岩に叩きつけられる可能性がありました。
そんなの想像しただけでも恐ろしいです。
ですから、私達はそのリスクを考えて、その激流の下流部からスタートしようと思っていたのですが・・・
下の写真がクリスチャンが激流に突っ込んでいった直後のものです。
写真には写っていないのですが、このあとに最後の滝があるのです♪
「クリスチャンが来るぞ~!!」
一人がカメラを構え、残る2人はレスキューロープを持って滝の下流部に走って行きました。
何かあったら、すぐにレスキューしなければいけません。
クリスチャンが最初のドロップ(落ち込み)を無事に抜け、次のドロップに突っ込んでいくところでした。(それがちょうど上の写真のところです)
この落ち込みは特に幅が狭く、落ち込み部の巻き返し(バックウォッシュ)を強いので、ここでミスると、最後の滝がかなり厳しいものになってしまいます。
クリスチャンは、このドロップに突っ込み、無事に抜けたかと思いましたが、バックウォッシュに一瞬捕まり、そのままひっくり返ってしまいました!!
その後バックウォッシュには捕まりませんでしたが、クリスチャンは転覆した状態のまま、最後の滝に流されています!!
「ヤバイ!」
「クリスチャン、早く起き上がれ!」
クリスチャンはなんとかロール(ひっくり返った状態から起き上がってくる技術です)で、上がって来ましたが、最後の滝はすぐ目の前です!
そのまま突っ込むと滝の下の岩にモロに激突するコースです!!!
「避けろ~!!クリスチャン!!!」
クリスチャンはなんとかカヤックをコントロールし、岩から外れるコースへと漕いでいます!
岩にぶつかるか、ぶつからないか・・・といった微妙な位置で、クリスチャンは滝に突っ込んでいきました。
「どうだ??避けられたか???」
と誰もが思った瞬間・・・・
「ゴン!!!」
と、ものすごい音と同時にクリスチャンとカヤックが一瞬、滝の真下で停止したのです!!
最悪です・・・。
どうやら岩は水面下の見えない部分で、もっと横に広がっていたようなのです。
岩を避けたかに見えたクリスチャンでしたが、水面直下の岩にそのまま激突したのでした!!
次に瞬間、クリスチャンはカヤックごと滝の中に消えてしまったのです!!
私達の間に緊張が走りました!
「おい! クリスチャン大丈夫か!!!!」
クリスチャンが滝の下に消えてから、ほんの数秒間だったと思いますが、私達にとってはすごく長い時間でした。
「出てこい!!」
すると、滝の少し下流から、最初にクリスチャンのサンダルがプカっと浮いて来ました!
滝の直後は少しだけ穏やかな場所になっていたのです。
そして、その後、
カヤック内部の部品がプカっと。
カヤック本体がプカっと。
パドルがプカっと。
次々と浮いてきて、最後にクリスチャンが
「ブハッ!!!」
って感じで浮いてきたのです!
なんとか無事そうです(ってこのときはまだ分かりませんが・・)
しかし、クリスチャンがカヤックに乗った状態であればロープを投げるだけでいいのですが、これだけ物ばバラバラに浮いているとそうもできません。
モタモタしていると、カヤックもパドルも全部、そのままさらに下流の激流に流されてしまいます!
誰かが叫びました!(誰だったのか覚えていません。私だったのかも・・・)
「Everybody, Get into the water, Grab them!」(全員飛び込んで、みんな拾え!)
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