ラフティングが上手くなるコツは「感じる!感じる!」

2019年8月7日

回想記です♪(⇒過去記事はこちらです)

前回(⇒『見る!見る!』)の続きです。

1997年、オーストラリアでリバーガイドとして働き始めた私は、自分が上手くなるために、とりあえず、

「他人のガイディングを見る」という事をとにかくやっていました。

普通に激流をガイドしているときは、当然自分のボートの操作に集中しているので、他の人の樣子などを見ている余裕はあまりありません。

しかし、岩の上に立って他のボートのレスキューカバーをする「セイフティーカバー」をしているときには、もちろん良く見ることができるのです。

ですから、私は自分からどんどんセイフティーカバーに入って、他のボートを見るようにしていたのでした。

これは「勉強」というよりも、単純に私自身が、他のガイドを見るのが好きだったし、それが楽しかったので、好き好んで行なっていました。

セイフティーカバーに入るボートは、その激流を下る順番によって変わってくるので、私は激流が近づいてくると、自分がセイフティーカバーに入れるように、何気なく他のボートを抜いたり、時にはわざと抜かされたりという小技を使っていました♪

セフティーカバーをするためには、当然ボートをちゃんと川岸や岩の後ろなどに止めなくてはいけないので、それ自体も技術向上のためにはすごくいい練習となりましたね。

外国人のガイドの中には、セイフティカバーに入るのを嫌がる人達も結構いたので、私が激流の手前で抜こうとすると、

「keita. わざわざセイフティーカバーに入りたいのか??」

と聞いてくるガイドもいました。

私は 「入る!入る! 俺がやるからいいよ♪」

とニコニコしながら抜いていったので、中には私のことを

「変な新人ガイドだな~」と思っていたガイドもいるかもしれませんねあせる

そして、セイフティーカバーの位置にボートを止めると、ロープを持って岩の上に待機します。

↓こんな感じです。岩に立っているのが私です


(この写真で映っているのは、激流終わったあとですが・・・笑)

ここで私がいつもなんとなくしていたことがありました。

それは他のガイドのガイディング(操作の仕方や指示の出し方・・etc)を見ているときなのですが、ただ見ているだけでなく、

「自分がそのボートに実際に乗って操作している」つもりで見ているのです。

見ているというよりも「感じている」と表現したほうがいいかもしれません。

これを正確に文章で表すとなると、ちょっと難しい表現になってしまいますが、

現実には目を通した「視覚的な部分」でそれを見ているわけですが、実際には体全体を通した「感覚」でそれを処理するといった感じです。 

他人のガイディングを客観的に見る時に、見る要素としては、

ボートのライン、激流での位置、ボートの角度、ボートにかかっている慣性、波に当たる角度、
お客さんへの指示・・・etc 色々な要素がありますが、私の場合、それを全て一瞬で、視覚で処理しようとすると、時に難しいと感じることがあったのです。

しかし、この「感じる」というやり方で行うと、すんなり自分の感覚の中にその情報を取り込むことが出来たのでした!

もちろん、これは人によって違ってくることだと思いますが・・

こうすると、大抵の場合、その人のガイディングと私の「感覚上のガイディング」の間で、多かれ少なかれ「ギャップ」が生じるのです。

そのギャップと、その実際の結果(実際のボートの動き)によって、私は

「あ、これじゃ最後の合わせが甘いな・・・」  とか

「お、これならバッチリだ!!」 とか

「あ、タイミングは合っているけど、もっと速く回したほうが・・」

などと感じていたのでした。

ほとんど「遊び感覚」で行なっていたことですが、これをすることにより、その激流を実際よりもはるかに数多く「下った」という「経験」を得られることが出来たと自分では思っています。

そしてなにより重要なこと。これをしていて一番勉強になったことは、「他のボートに自分の感覚を乗せる」ことで、時には自分の経験になかった事まで「体験」できることでした。 

例えば、

「あ~、このままじゃ転覆する!」と私が感じても、実際には転覆しない時がありました。

そんなときには「これでいっても大丈夫なんだ」と新しい体験、経験を積む事ができましたし、

「これじゃ、まずい。俺ならこうやって修正する」と感じたところで、他のガイドが全く想像だにしないやり方でもって、その状況を切り抜けたりしたときには、

「こんな方法もあるんだ!!」と頭ではなく「感覚」でもって体感することが出来たので、その経験をよりリアルなものとして、自分のものにできたと思います。

成功するケースにしろ、失敗するケースにしろ、自分の感覚を超えた動きを経験した時というのは、本当に驚いたものです♪

<→回想記の続きはこちらです>