『突然消えたお客さん・・・』 part2
オーストラリアでリバーガイドをしていた時の回想記です♪(⇒過去記事はこちらです)
前回(⇒『突然消えたお客さん・・・』)の続きです。
タリー川でのラフティング中に、当然姿が見えなくなってしまったお客さんを、私達は必死に探していたのですが、全く見つかる気配も見せぬまま時間だけが過ぎていったのでした。
もう時間的に限界でした。
お客さんを含め、140人近くの人で探しても見つからず、あたりはもうすぐ暗くなり始めるだろうというところまで来ていたのです。
ラフティングをおこなっていたタリー川は、ケアンズの中心地からバスで2時間ほどかかるので、早く川から上がらなければ、ケアンズ到着はかなり遅くなってしまいます。
私達は、
「もうこれだけ、注意深く川の中は探したのだから、川のどこかにいる可能性は少ないだろう」
「あるとすれば、川の中以外、つまり陸上のどこかにいるに違いない・・」
という結論に達し、とりあえずお客さんを全員バスに戻し、すぐにケアンズに向けてバスを出発させることにしました。
ケアンズに住んでいるガイドもそのバスで一緒に帰り、タリーの近くに住んでいるガイドがあとの捜索を引き続き行うということになったのです。
その男性は家族でラフティングに参加していたので、その家族は当然、そこにのこっていました。
私は、ケアンズに住んでいましたし、日本人のお客さんのケアもしなくてはいけなかったので、バスで一緒にケアンズまで戻ってきたのです。
バスの中は当然、暗く沈んだ雰囲気です。
途中まで楽しかったラフティングの思い出なんかどこかへ吹き飛んでしまった感じでしたね・・・
当たり前ですね。
日本人のお客さんも、
「どこに行ってしまったんでしょうね・・・。無事ならいいですね」
などと話していました。
そうです。無事であればとりあえず良いのです。
多少ケガとかしてても、無事であれば・・・。
ケアンズについて、お客さんをホテルまで送り届け、会社に戻ってきたときには、すでに夜の9時近くになっていたと思います。
そこで、私達が聞いたのは、
依然として、その男性は不明ということ。現在は救助隊が夜を徹して、捜索活動をしているということでした。
自宅に帰って、テレビをつけるとニュースでもそのことが報じられていました。
いろいろあって疲れていた私は、そのことを気にしつつも、すぐに眠りに落ちてしまいました。
そして、次の日。
朝、起きてテレビのニュースを再びつけると、なんと!!
男性が夜中にみつかったというニュースが流れていたのです!
私「え!! 見つかった!!どこで??」
ニュースを聞いていると、熱帯雨林のジャングルの山中で無事に見つかったとのこと。
でも、それ以上の詳しいことはニュースでは言っていませんでした。
その日も私は仕事だったので、会社に出社し、すぐにオフィスの人に聞いたのです。
「あの男性、見つかったんだって!?」
「どこで見つかったの?」
オフィスのオバちゃん 「そうなの。見つかったのよ! なんでも川岸からだいぶ奥に入ったジャングルの山中にいたらしいの」
私「無事だったの?」
オバちゃん「無事よ。全然ケガとかもしていなかったみたい」
私 「そっか。とりあえず無事でよかったね。でも、なんでそんなところにいたの?」
オバちゃん 「それがね~。なんでも隠れていたみたい」
私「隠れていた??? 何で? 誰から??」
オバちゃん「なんか元からちょっと『隠れグセ』のある人だったらしく、昨日もラフティング中に、何かが気に入らなかったらしく、みんなが写真を取っている隙に、ジャングルの奥のほうに隠れてしまったらしいの・・」
私 「ホントに? 隠れていたのか・・・・・あのジャングルの中で・・・」
熱帯雨林というのは、木々の葉っぱが生い茂っているので、夜になると、その中は本当に暗闇となります。
月明かりも地面には全く届かないのです。ホントに暗いのです。
そんな中で、たった一人でずっと隠れていたなんて・・・・。
ある意味その男性はものすごい精神力ですね。
しかし、無事でよかったものの、結果的に他の人にとっては、ものすごくはた迷惑な話となってしまいました。
男性が隠れなければ、ラフティングも楽しい不雰囲気のまま終了できたし、早くケアンズに帰ってこれましたし(笑)
ま、今となっては良い(とは言えないか??)思い出です。
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