『突然消えたお客さん・・・』
オーストラリアでリバーガイドをしていた時の回想記です♪(⇒過去記事はこちらです)
回想記に一つとして「ちょっとしたエピソード」を書いています。
今回は第4段。
『突然消えたお客さん・・』 です。
なかなかインパクトのある題名をつけてしまいましたが、実際にラフティングツアー中に起こった出来事を書きたいと思います(でも過度な期待は禁物です)
あれは、いつ頃だったでしょうか。
もう忘れてしまったのですが、たぶん私がオーストラリアでリバーガイドになって、まだ数年くらいのときだったと思います。
場所は、このブログではおなじみの「タリー川」です。
その日もたくさんのお客さんがラフティングに参加していて、ボートの数は20艇ほどでていたと記憶しています。
このようにボートの数が多い時には、ツアー自体を前半グループと後半グループに分けていました。
そうしないとツアー全体の流れがスムーズにいかない事が多く、ランチの時なども人が多すぎて、効率がよくないためです。
前半グループを「トリップ1」 後半グループを「トリップ2」とし、約20分程度の時間差をつけて川を下っていたのでした。
私は、その時は前半グループのトリップ1で、ツアーは普通に滞り無く進んで行きました。
午前中の難所も越え、ランチも終わり、午後も後半に差し掛かろうとしていたときです。
私は、「あとは後半の難所をいくつか越えれば終了だ。今日も無事に終わりそうだ」などと思ってたのですが、
突然、「ある情報」が、後ろにいたトリップ2のグループから私達トリップ1に飛び込んできました。
トリップ2のリーダーをしていたガイドが無線で、私達トリップ1のリーダーに連絡を取ってきたのです。
そして、その内容を聞いた私達ガイド全員に間に緊張が走りました。
なんとトリップ2のお客さんの一人がいつのまにかいなくなったというのです!
男性のお客さんということでした。
私達トリップ1のガイドはみんなで
「そんなバカな・・・。 途中で転覆でもして流されたのか??」
などと話していたのですが、そうやら転覆だとか激流のなかで落水したとかではないようでした。
なんでも、そのお客さんが乗っていたボートが途中の川岸で、みんなでグループ写真などを取っている間に、知らないうちに姿がなくなってしまったということでした。
トイレかなと思い、しばらく待ってみましたが戻ってこない・・。
みんなで大声で呼んで探してみたけど見つからない・・・。
ということでした。
それで、もしかしたら知らない間に一人で泳いでいたりして流されてしまった可能性もあるので、下流に位置していた私達トリッップ1のほうに流されてくるかもしれないから、そこで留まって、激流の中をよく見ておいてくれ。
ということだったのです。
いくらヘルメットとライフジャケトをつけているとはいえ、お客さんが一人で激流を流されてくることは大変危険です。
私達トリップ1のガイドは全員自分のお客さんに事情を説明し、お客さんにも手伝ってもらうことにしました。
最悪の場合、水中を流されてくるケースもあるので、ガイドだけでは見逃してしまう可能性もあります。
ですからお客さんにも頼んだのです。
そのようなケースでは、まずすぐにでも発見して救助することが最優先になってきますので。
お客さんも含め、やく70人程が、ずっと激流のあちこちに視線を走らせ、何か人らしきものが流されて来ないかチェックしていました。
しかし、何もそのようなものは流されてきません。
およそ2時間ほど続けましたが一緒でした。
そして、トリップ2のグループも近辺を探し続けましたが、その男性の姿を見つけることは出来なかったのです。
もう時間はかなり経っています。
お客さんの大半は、タリー川からバスで2時間ほどのケアンズに滞在しているため、もうそれ以上の滞在は厳しくなってきてしまいました。
渓谷の中にあるタリー川は、太陽はとっくに山の後ろに沈んでしまい、暗くなってくるのは時間の問題です。
私達ガイドは、
「これだけ探しても見つからないということは、激流のどこかにいるという可能性は無いんじゃないか?」
「いや、でもどこか見えないところで引っかかってしまったんじゃないか・・」
「トイレにいってどこか落ち込みにでも落ちてしまったのではないか・・」
などと色々な可能性を出しては、何とかしようとしていたのです。
しかし、時間だけが過ぎていきます。
探せるタイムリミットは限界に近いです。
いったい、この男性はどこに消えてしまったのでしょうか・・・??
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