失敗・・part1
回想記です♪(⇒過去記事はこちらです)
前回はタリー川でのトレーニングで、初めて「全ての激流」をガイドさせてもらった話をしました。
今回はそんな私がやってしまった「失敗」の話です。
トレーニングからわずか17日目という早い時期にそれをさせてもらうことが出来て、しかも上手くガイドできたものですから、私としては本当に嬉しかったのです。
ちなみに全くの素人がタリー川でトレーニングを始めて、「全ての激流」をガイドさせてもらうようになるには、当時(1997年)では通常だったら2ヶ月くらいはかかっていたのではないかと思います。
ですから私は通常よりもかなり早くそこに達することが出来たのです。
私が思ったように、その日を境に、他のガイドのボートに乗ってもスタートからゴールまで全ての激流をガイドさせてもらえるようになりました。
そのときは3月くらいだったので、タリー川ラフティングは忙しい時期でした。
ですから、ガイドも休みなく働いている人が多かったので、私をボートに乗せたがるガイドも多かったのです。
どういう事かというと、みんな休みなく働いているので、ガイド達も疲れが溜まってきます。
そこで私をボートに乗せれば、私がガイドするので、自分はちょっと楽を出来るというわけです(笑)
あくまでも体力的にです。
実際には私にいろいろ教えたり、危なかったらそれなりの助けをしなくてはいけないので、気は張っていなくてはいけません。
そんな感じで私は、どんどんガイドさせてもらえるようになり、それに伴って自分でもどんどん上達していくのが実感できました。
「いい感じだな・・・ 」
と思い始めた、そんな頃でした。
ある日のトレーニングで私は日本人ガイドの先輩であるTetsuさんのボートに乗らせてもらうことになりました。
私がRnR社でトレーニングを始めた当時日本人の先輩ガイドは4人いて、Tetsuさんはそのトップにいる人でした。
Tetsuさん 「Keita。最近タリー川全部ガイドさせてもらっているんだって? じゃあ、俺のボートも全部ガイドしていいよ。どれくらい成長したか見てあげるよ!」
私 「はい!お願いします!」
私は内心ある程度自信がありました。
外国人ガイドはみんな自分のことを褒めてくれます。
しかし、同じ日本人ガイドであるTetsuさんは、かつて、その時の自分と同じように「海外で、その国で外国人としてリバーガイドになる」ということの難しさや大変さを経験しているだけに、
「見せかけだけの技術」
「他のガイドの単なる真似事」
のようなものでは決して褒めてくれることはありませんでした。
ですから、私はここで上手くガイドして、Tetsuさんにも認めてもらおうと思ったわけです。
お客さんは日本人でした。
ここ最近は外国人のお客さんが多かったので、「よし、今日は日本語でガイドできるぞ」と内心ちょっと安心したのを覚えています。
午前中の激流セクションは、まあなんとか無難に乗り切ったと記憶してます。
そしてランチを挟んでの午後。
難関の午前中をなんとか乗り切ったことで、私は少し気が楽になっていました。
そして、午後の最初の激流「コークスクリュー」に突入していったときです。
入り口でのエントリーの位置がいつもよりだいぶズレてしまっていることに気が付きました。
しかし、私は「まあ、大丈夫だろう・・」みたいな感じでそのまま突入していきました。
コークスクリューの最初の入り口のところには大きなドロップになっていて、そこには大きなホールがあります。(⇒ホールについてはこちらの記事を参照♪)
通常はそこにハマらないようにホールの端を通って行くのですが、その時の私が操作していたボートは思いっきりホールの真ん中にいくコースになっていました・・・
途中で「ヤバイ!」と思ってボートの角度を変え、元のラインに戻そうとしましたが、時既に遅し。
ボートの先端が岩に当たり、ボートはクルリと向きを変え、横向きのままその大きなホールへと突入していってしまったのです・・・。
最悪です・・。
ラフティングをしている方なら簡単に理解できるのですが、大きなホールに対し、ボートを横向きに落とすことは自殺行為に等しいのです。
ボートは速攻で転覆するか、
もしくは「サーフィン状態」になってしまい、そのままそこにハマってしまい、最後に転覆するか・・・。
川で言う「サーフィン」というのは、流れが作る逆流にボートがはまり、そこから出られなくなってしまう状態のことです。
小さいホールなら、「遊びとしてのサーフィン」も可能ですが、激しい激流の最中でのサーフィン。特にその下に危ない箇所が待ち受けている場所でのサーフィンは本当に危ないし、恐ろしいものなのです。
転覆すれば、そのまま危ない箇所へ流される可能性がありますので・・・
横向きにホールに落ちたボートは、転覆こそ免れましたが、そのまま「サーフィン」の状態になってしまったのです!
ボートは木の葉のように揺さぶられ、お客さんは一人、また一人とボートの外へ投げ出されていきます。
そこの下流には、「人が流されると危ない箇所」があるのです。
(最も当時はそこまでの認識は私にはありませんでした・・・)
この時のケースは、まさにそのような「危ない場所でのサーフィン」だったのです!!
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