変貌する川の条件(その3)~下流域の激流部~

2019年7月22日

普段、それほど激しくない川が「ものすごい激流」に変貌する条件として、3つの理由(要素)があると以前の記事で説明しました。

今回はその3つ目です。

以前、私が住んでいたオーストラリア、ケアンズ近辺を流れるバロン川を例にして説明してます♪

一つ目の理由は「川に点在する岩の大きさとその数(密集度)」でした。
こちらの記事です⇒「変貌する川の条件とは?」

2つ目の理由は「川がV字状の狭い渓谷を流れているということ」でした。
こちらの記事です⇒変貌する川の条件(その2)

そして、最後の3つ目。

それはバロン川のその激流区間が、バロン川自体の下流域に位置しているためです。

「バロン川自体の下流域」というところが重要なのですビックリマーク

この時点でピンときた方はかなり鋭いです。

そうです。通常、川の下流域というのは、同じ川の上流域よりも水量が多いのです。

川というのは、通常はいろんな川(支流)が合流しあって、最終的に1本の川(本流)となり海に注ぐわけです。

ですから、当然、川の下流域、さらに海にそそぐ河口付近というのは1番水量が多くなります。

特に雨がたくさん降ったときに、その現象は顕著に現れます。

支流以外にも、上流域、中流域、下流域の山という山から溢れでた大量の雨水が支流、本流に流れ落ち、最終的に1つの流れとなって海にそそぐわけですから。

バロン川という川は全長約165キロメートルの長さです。そして、そのバロン川でラフティングやカヤックを行なっている区間というのは、海から約15~20キロメートルの地点なのです。

165キロの最後の部分が激流区間となっているのです。

このような川はあまり他には見られません。

普通の川というのは、激流区間というのは川の上流部にあるものです。そして下流域というのは川幅も広くなりただ穏やかに流れているケースがほとんどでしょう。

そこが大きな違いなのです。

バロン川というのは、通常だったら川幅が広くなっている下流域において、

1,大きな岩がたくさん点在している。

2,川がV字状の狭い渓谷を流れている

3,下流域であるため、上流域ではありえないほどの水量が流れてくる

この3つの要素がどれか1つでも欠けていたらバロン川が「ものすごい超激流」になることはありません。といっても、それでも普通に比べたらものスゴイ激流でしょうが・・・。

この3つの要素が完璧に組み合わさることによって、バロン川にとっては最悪の組み合わせとなり、「ものすごい最悪、最凶の激流」ができるのでしょう。

ただし、通常のバロン川は激流部の上流にある水力発電所によって、水量がコントロールされているので、そこまで大量の水が流れているわけではありません。
急激な雨によって、そのコントロールが効かなくいほどの雨量があったとき、上記の条件が加わり、とんでもない激流となるのです。

 

みなさんももし、このような条件に当てはまる川(激流)を見つけたら、大増水したときには近づかないことをお勧めします♪。

ましてや、カヤックで一人漕ぎ出ようなどとは考えないことです(笑)

とんでもない目に合ってしまうかもしれませんよ。

私のように・・・叫び