ある水難救助の状況における「リスク」とは?

2019年8月6日

前回の記事(⇒ボートレスキューにおけるリスク(2)の続きです。

前回の記事では、

「例えば、ある激流の現場に救助隊が、ラフトでアプローチを試みたが、上手く出来ずに、そのままこの激流部の下流部に流されてしまった」

という状況を例に挙げました。

↓簡単な図で表すとこんな感じです。

$ラフティング道

岩のところにたどり着こうとしましたが、失敗して下流に流されてしまったわけです。

↓実際の現場の例としては下の写真のような状況です。

$ラフティング道

これは、実際の水難救助活動の現場のものです。オーストラリアのタスマニア島にあるCataract Gorgeという所で起きたもので、2人の男女が激流の中の岩の上に取り残されてしまったという状況でした。

小さい赤丸のところが2人が取り残された岩です。見て分かる通り結構な激流です。

そして、前回の記事では「一体何がリスク(起こって欲しくないこと)と成り得るのでしょうか??」

と考える所までを書きました。

とりあえず岩の上の救助を待っている2人にとっては、その時に関しては何のリスクもないでしょう(岩にたどり着く前にボートは下流に流されてしまったのです)

では、救助隊(レスキュー活動をする人達)にとって「この状況」は??

どんな事が、彼らにとって「起こってほしくないこと」なのでしょうか??

私が考えるに、

「下流に流された事自体」は何の問題もありません。

もちろん、最初のアプローチに失敗してしまったこと自体は、ある意味問題なのですが・・。

しかし、救助活動に100%成功するという保証は絶対にないのです(と思います)

一番の問題は「その一つが失敗すれば、全て終わり」という状況になってしまうことでしょう。

ですから、そのような視点で「この状況」を考えた時に、問題となるのは

「下流に流されてしまった時点で、救助不可能」というケースに陥ってしまうことではないでしょうか?

具体的な例としては、

「岩の下流に流されてしまって、すぐに川岸まで戻ってくることが出来なく、そのままかなり下流まで流されてしまった・・・」

だったり

「下流に流されてしまい、さらに激しい激流部に流され、そのまま転覆・・・」

(この激流はCataract Gorgeの最後の激しいセクションですが、この岩の下流はまだ数百メートルもの激流が続いているのです。この水量でそこに突っ込んだら・・・転覆の可能性はもちろんあるでしょう)

最悪のケースでは、転覆して、さらに救助隊が二次災害に遭ってしまう・・・などでしょう。

もちろん、これらはあくまでも一部の例なので、この他にも考えられるケースはたくさんあると思います。

では、今回の例のような水難救助での状況において、

こうなってしまった時に(最初のアプローチに失敗して下流に流され始めた時に)、

どんな事をすればこのような「その一つが失敗すれば、全て終わり」という状況に陥ってしまうリスクを軽減することができるのでしょうか??

というわけでまた次回に続けたいと思います!
長くなってすみません!!

<→続きはこちらです>