暗闇の中で・・・part2
オーストラリアでリバーガイドをしていた時の回想記です♪(⇒過去記事はこちらです)
前回の記事(⇒暗闇の中で・・・)の続きです♪
オーストラリアのケアンズにあるバロン川でカヤックをしていた私は、ついつい夜の20時頃まで漕いでしまい、気が付いたらあたりはすっかり暗くなっていたのです。
「気が付いたら・・・」と書くと大袈裟のように聞こえるかもしれませんが、本当なのです。
その日は、満月に近いような月で、しかも雲ひとつない晴天だったので、たとえ夜でも川の上では、「結構良く見える」ものだったのです。
特に川の中央付近というのは、その頭上に何もないので、月明かりがよく届いたのですね。
しかし、いい加減いい時間になってしまったので、私は漕ぐのを止め、上流に停めてある車まで走って戻ろうとしたのでした。
川岸から道路までの距離は、場所によってマチマチですがおよそ50~70メートルといったところでしょうか。
バロン川というのは、Barron Gorge(バロン渓谷)という場所に流れる川なので、その両岸は山です。
ですから当然川から道路に出るためには、かなりの急斜面を登らなくてはいけません。その急斜面の部分は当然のように熱帯雨林のジャングルです。
↓バロン川です♪
私はカヤックを肩に担ぎ、道路までとりあえず上がろうとして、ジャングルの中に踏みいれようとした瞬間ビックリしました!
目の前が闇なのです!
「ドン!!」って感じで「闇の壁」がそこに存在していたのです!
もう本当に真っ暗。 漆黒の闇でした!!
私は「たぶん月明かりの元にいたから、まだ目が慣れていないんだな・・・」
「ちょっとしたらすぐに目が慣れてみえるようになるだろう」
と思って、しばらくじっと闇の奥のほうを見つめ、目を慣れさせようとしたのでした。
普通の林、森ならこんなことにはなりません。
理由は以前の記事でも書きましたが、「熱帯雨林のジャングル」のせいです。
熱帯雨林というのは、お互いの木々が日光の奪い合いをしているので、なるべく高いところで葉っぱが生い茂るのです。
つまり、葉っぱは「傘」のような感じで木々の上方に、みっちりと隙間なく生い茂るので、その上からの光を、そこで遮断してしまうのです。
地面まで光がほとんどこないというわけですね。
道路まであがる道筋というのは、私はもう何度も通っているので、多少暗くても問題なく歩けるようにはなっていました。
しかし、その「道筋」と言っているのは、本当にただの「筋」で、別に道でもなんでもないのです・・・。
ただ「頭の中」で覚えているだけの「自分の通り道」なので、足元は岩や木がたくさん!
見えなければまともに歩くことは非常に困難なものだったのです。
目を慣らそうとしていた私ですが、一向に目は慣れませんでした・・・
いや、ほんの少しだけ、かすかに見える程度にがなりましたが、それでも視界は1mほど。
足元なんか全く見えません・・・。
これを読んでいる方々の中には、
「そんなわけないだろ~。 目が慣れれば絶対見えるようになるはず」
と思っている方もいると思うのですが・・・。
本当に見えないのです!!!(笑) あれこそまさに「漆黒の闇」でしたね
バロン川の川岸というのは、大きな岩がゴロゴロしています。
ですから、見えないとなると非常に危険なのです。 大きな落差がたくさんありますから。
そのまま落ちてケガする可能性大です。
たとえ斜面であっても、ある程度平坦であるなら、見えなくとも歩けるのですが・・・。
しかし、そうは言ってもいつまでもそこで待っているわけには行きません。
私は意を決して闇の中にカヤックを肩に担ぎ、慎重に一歩一歩、いえ、半歩半歩、いや10センチ10センチくらいの遅さで、ゆっくりと進んで行きました(笑)
そして・・・
普段だったら、多少暗くても数分程度で道路まで上がれるのですが、その時は何分かかったでしょうか。
たぶん15分くらいかかったと思います。
なんとか道路まで上がってこれました!
もうここまでくれば大丈夫です。
相変わらず山の中なので当たりは「真っ暗」ですが、もう「漆黒の闇」ではありません。
上流の車まで舗装された道路を走るだけです!
走ることは十分に可能です♪
いや~良かった良かった・・・・
とはなりませんでした・・・。
ここまでは時間はかかりましたが、別に迷ったわけではありません。
本当に「暗闇のジャングルを彷徨う」ことになるのは、ここからだったのです!
それは私の単純な「あるミス」から起こったものでした。
ってわけでまた続きます。
<→続きはこちらです>
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