暗闇の中で・・・part2

2019年8月9日

オーストラリアでリバーガイドをしていた時の回想記です♪(⇒過去記事はこちらです)

前回の記事(⇒暗闇の中で・・・)の続きです♪

オーストラリアのケアンズにあるバロン川でカヤックをしていた私は、ついつい夜の20時頃まで漕いでしまい、気が付いたらあたりはすっかり暗くなっていたのです。

「気が付いたら・・・」と書くと大袈裟のように聞こえるかもしれませんが、本当なのです。

その日は、満月に近いような月で、しかも雲ひとつない晴天だったので、たとえ夜でも川の上では、「結構良く見える」ものだったのです。

特に川の中央付近というのは、その頭上に何もないので、月明かりがよく届いたのですね。

しかし、いい加減いい時間になってしまったので、私は漕ぐのを止め、上流に停めてある車まで走って戻ろうとしたのでした。

川岸から道路までの距離は、場所によってマチマチですがおよそ50~70メートルといったところでしょうか。

バロン川というのは、Barron Gorge(バロン渓谷)という場所に流れる川なので、その両岸は山です。

ですから当然川から道路に出るためには、かなりの急斜面を登らなくてはいけません。その急斜面の部分は当然のように熱帯雨林のジャングルです。

↓バロン川です♪

$ラフティング道

私はカヤックを肩に担ぎ、道路までとりあえず上がろうとして、ジャングルの中に踏みいれようとした瞬間ビックリしました!

目の前が闇なのです!

「ドン!!」って感じで「闇の壁」がそこに存在していたのです!

もう本当に真っ暗。 漆黒の闇でした!!

私は「たぶん月明かりの元にいたから、まだ目が慣れていないんだな・・・」

「ちょっとしたらすぐに目が慣れてみえるようになるだろう」

と思って、しばらくじっと闇の奥のほうを見つめ、目を慣れさせようとしたのでした。

普通の林、森ならこんなことにはなりません。

理由は以前の記事でも書きましたが、「熱帯雨林のジャングル」のせいです。

熱帯雨林というのは、お互いの木々が日光の奪い合いをしているので、なるべく高いところで葉っぱが生い茂るのです。

つまり、葉っぱは「傘」のような感じで木々の上方に、みっちりと隙間なく生い茂るので、その上からの光を、そこで遮断してしまうのです。

地面まで光がほとんどこないというわけですね。

道路まであがる道筋というのは、私はもう何度も通っているので、多少暗くても問題なく歩けるようにはなっていました。

しかし、その「道筋」と言っているのは、本当にただの「筋」で、別に道でもなんでもないのです・・・。

ただ「頭の中」で覚えているだけの「自分の通り道」なので、足元は岩や木がたくさん!

見えなければまともに歩くことは非常に困難なものだったのです。

目を慣らそうとしていた私ですが、一向に目は慣れませんでした・・・

いや、ほんの少しだけ、かすかに見える程度にがなりましたが、それでも視界は1mほど。

足元なんか全く見えません・・・。

これを読んでいる方々の中には、

「そんなわけないだろ~。 目が慣れれば絶対見えるようになるはず」

と思っている方もいると思うのですが・・・。

本当に見えないのです!!!(笑) あれこそまさに「漆黒の闇」でしたね

バロン川の川岸というのは、大きな岩がゴロゴロしています。

ですから、見えないとなると非常に危険なのです。 大きな落差がたくさんありますから。

そのまま落ちてケガする可能性大です。

たとえ斜面であっても、ある程度平坦であるなら、見えなくとも歩けるのですが・・・。

↓こんな感じで大岩ゴロゴロです(笑)
$ラフティング道

しかし、そうは言ってもいつまでもそこで待っているわけには行きません。

私は意を決して闇の中にカヤックを肩に担ぎ、慎重に一歩一歩、いえ、半歩半歩、いや10センチ10センチくらいの遅さで、ゆっくりと進んで行きました(笑)

そして・・・

普段だったら、多少暗くても数分程度で道路まで上がれるのですが、その時は何分かかったでしょうか。

たぶん15分くらいかかったと思います。

なんとか道路まで上がってこれました!

もうここまでくれば大丈夫です。

相変わらず山の中なので当たりは「真っ暗」ですが、もう「漆黒の闇」ではありません。

上流の車まで舗装された道路を走るだけです!

走ることは十分に可能です♪

いや~良かった良かった・・・・

とはなりませんでした・・・。

ここまでは時間はかかりましたが、別に迷ったわけではありません。

本当に「暗闇のジャングルを彷徨う」ことになるのは、ここからだったのです!

それは私の単純な「あるミス」から起こったものでした。

ってわけでまた続きます。
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