理想の漕ぎは「アメンボのエネルギー加算型」!?(レースラフティング)
「アメンボ」シリーズのpart3です。けっこう長い記事となっています・・・
水面を素早く移動するアメンボの凄さを書いています(笑)
この「アメンボの凄さ」とは、カーブを含めた前進時における運動エネルギーの扱い方にあります(*^_^*)
またレースラフティングにおける「運動エネルギー」シリーズの”締め”として書いています♪
下記の記事も参考に読んで頂ければと思います。
前回の記事では、現在よく使われているラフティングの技術(キャッチ&ラダー)とアメンボの動きの”違い”について書いたところでした。
今回はもう少し詳しく説明していきます。
まずは、レースラフティングにおいて、今現在、多くのチーム(人達)がカーブの内側にて使っている「キャッチ」や「ラダー」のイメージ図です。
⬇の図は前回の記事でも使用したものです。
左の図が、ゲートをカーブしながら通過している時の、外側と内側の「力の流れ」を簡単に表わしています。
そして、右の図は、外側で作った力Aを2つの力に分解したものです。
さらに、下の図。
これはボートのスピード(=運動エネルギーとも言えます)を維持しながらも、上手くカービングを行うためにやっていることです。
つまり、「元々ボートにあった運動エネルギー」をなるべく無くさないようにしつつ、ボートをカーブさせようとしているわけです。
赤字で強調して書いたので、もうお分かりでしょう(笑)
そうです。
この方法だと、主に「なるべくスピードを落とさない」ということが目的となっているのです。
つまり、こういうイメージです。
図はボートの外側から与えられた力(1と2に分解)を表したものです。
↓ ↓ ↓
図において、緑の文字で記したように、今現在、多くのチーム(人達)がカーブの内側にて使っている「キャッチ」や「ラダー」というものは「ボートの回転運動に対しては変化を与えているが、前に進ませる力には何もしていない」というケースが多いと思います。
別の言い方をすれば
「回転慣性をおさえるのに精一杯で、ボートを更に前に進ませる力は生み出していない」
という事です。
では、一方、今回の主役であるアメンボはどうでしょうか??
まず、今回もアメンボの動きの動画を紹介しておきます。
スロー動画はこちら ⇒アメンボの泳ぎ方|NHK for School
この違いが分かりますか???
アメンボの足の軌道はこうなっています!
前回も書きましたが、アメンボの内側の足の向きは、ほぼ後方に向かって蹴っています!!
進行方向に対して、前に進むように蹴っているわけです。
つまり、アメンボの場合、内側で作っている力は、アメンボ自身の進行方向に対して、”ほぼ同一方向”となっているのです!
”ほぼ”と書いたのは、正確に言えば、おそらく違うからです。
私自身も、アメンボで実際に実験したわけではないので、確証はないのですが・・・・
映像から判断すると、アメンボは右に曲がる際に、まず左足(真ん中の)で自らの体を「右斜め前方」の方向に蹴ります。
そして、タイミング的にほんの僅か遅れて右足(後ろ)で、蹴り返しているのです。
このタイミングの差は本当に刹那的なものです。
もしくはタイミングはほぼ同じでも、足で水面を蹴る強弱で、このような動きをしている場合もあるかもしれませんね。
ここで、重要な事は
右足で蹴り返すことにより、カービングの回転慣性を調節すると共に、さらに自らの体を前に進めている! という点です。
つまりこういうイメージです。
この図と、上のラフティングにおける「キャッチ」での図を比較してみてください。
これは、ものすごく大きな違いとなります!!
アメンボは、右に曲がる際に、右足でその回転具合を決め、さらに新たな推進力を生み出しているのです!!
ラフティングにおけるカーブの内側での「キャッチ」「ラダー」が、”エネルギー維持型”とすれば、
アメンボの足の動きは、”エネルギー加算型”と言えるわけです。
レースラフティングにおいて、こんな”エネルギー加算型”のほうが、断然有利なのは明白ですね♪
アメンボはスゴイ!というわけなのです(笑)
と、ここまで偉そうに書いていますが、この”エネルギー加算型”のパドリング。一人乗りのカヤックやダッキー、カヌーなどでは「ごく普通に」行われている類のものです(笑)
じゃあ、なぜレースラフティングにおいて、これを実践するチーム&人がほとんどいないのでしょうか??
次回は、この辺のことも含め、もう少し説明をいれて、いよいよこの「レースラフティングにおける運動エネルギー」の最終回としたいと思います。
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