「いつか訪れる瞬間」

2019年7月17日

昨日、世界的に有名なカヤッカー、Steve Fisherについて簡単に説明しました。

彼はいろいろな技を自分であみ出してきた人でもあります。前回のフリーホイールという技もそうでした。

そして、その中の一つにParty trickというものがあります。これは静水(流れがない所)で行う技なのですが、見た目はそれほど派手というものではありません。

映像を探したのですが見つからなかったので、文章で説明しますあせる

もしくは、もう少し水が暖かくなったら自分で映像を撮ります(笑)覚えていたらですが・・にひひ

まずカヤックに乗った状態でわざと転覆します。体と頭は水中です。完全にひっくり返っている状態です。そして、その状態からパドルで水を押さえつつ、一連の動きでカヤックを水面に対して垂直方向に立てるのです。(カヤックの前部が水中に刺さっている状態)、そしてそのままの状態で静止する。

なんだか文章で書くと難しいですね。

専門用語を使ってしまうと、沈した状態から、ワンストロークでバウステーションの状態にもっていくということになります。

これがParty Trickという技です。一種の曲芸みたいなものですね。ま、技の詳細自体は今回は全く重要ではありません(笑)。

私が初めてParty trick という技を見たのは、Steve Fisherが出演しているカヤックのビデオでした。1999年から2000年くらいだったと思うので12年ほど前のことです。

私がまだオーストラリアのケアンズに住んでいた時です。

今でこそ静水での技としては当たり前のものになっていると思いますが(たぶん・・)、当時としては、そんな技見たことなく「なんだ!今の動き!」というくらい衝撃を受けたというか、驚いたのを覚えています。

当然、自分でも「こんな技をやりたい!」と思うわけです。

でも、そのやり方がわかりません。なんせ周りにその技を出来る人は全くいないわけですから、聞くわけにもいきません。

しばらくの間は、川をカヤックで下っている時に、途中で試しに挑戦してみるけど出来ない。また下って再度挑戦してみても出来ないということが続きました。

出来ないというのは、やっぱりくやしいわけです。世界でも有名な人の技なので、簡単には出来るとは思っていませんでしたが。

それで、ついに決断しました。

「よし、プールで3日間ひたすらそれだけやってみよう」

まず、ラフティングガイドの仕事を3日間休みにしました(笑)

ケアンズのフラット(日本でいうマンションやアパートのことです)には、共用プールがついているのが結構普通です。

私が住んでいたフラットにも長さ10メートルくらいのプールがありました。ですから、川に行く時間がないときは、よくそのプールでカヤックの技を練習していたのです。

今考えると、夜の7時や8時くらいでもバシャバシャ大きい音を立てて練習していたこともあったのに、よく苦情が来なかったなと思います。

すごい近所迷惑ですね…叫び

逆に私がカヤックもってプールにいくと、そこにいた隣人さんたちがプールを空けてくれることもありましたにひひ

私としては「どんなに難しくても、同じ人間なのだから、俺も3日以内には出来るだろう」という全く根拠のない自信を持って挑みました(笑)

「その時点では、その技を全く出来ないけど、いつか必ず出来る瞬間が来るだろう」といった心境です。そして「3日後にはこのParty Trickを取得して周りに自慢できるなビックリマークと考えたのです。

全く根拠のない自信。

これって、けっこう重要な要素ではないかと思います。

そして、初日。 計7時間くらいの挑戦。 ダメでした。

しかし、2日目の午後。

「いつか訪れる瞬間」がついに来ました!!

2日目の昼くらいから、「あ、なんとなくできそう・・」という感覚があり、

ちょっとして、「たぶんもうすぐだ・・」という感覚があり、

「あ、できた!」となりました。

一度できるともう簡単です。

次の日、川に行ってさっそくParty Trickを他のカヤッカーに披露し「Call me ‘Steve Fisher’ !!」と自慢しながらやっていたのを覚えています(笑)

今の私にも、「いつか訪れる瞬間」を想像していることがたくさんあります。

いつ来るのかはわかりません。でも必ず来ると思ってます。

今までもそうでしたからチョキ

といった感じの楽観的思想の私でありました(笑)